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児童発達支援・放課後等デイサービス

【実務ガイド】大阪市の「こども性暴力防止法」報告依頼を受けた児発・放デイの対応手順|7月15日までに確認する事項

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はじめに

大阪市より、児童発達支援や放課後等デイサービス等の事業所に対し、「こども性暴力防止法」の施行に向けた事業者情報の報告依頼が通知されています。 通知を受け取られた法人様におかれましては、「これは直ちに日々の支援体制を変更するものか」「GビズIDは取得済みだが、それだけで足りるのか」といった実務上の疑問が生じている時期かと存じます。

結論から申し上げますと、今回の報告は、令和8年(2026年)12月25日に施行される同法に基づく事務手続を、専用システム上で円滑に行うための「事前のアカウント登録(まとめ登録)の準備」にあたります。職員の配置や利用者支援の方法を直ちに変更するものではありません。 本記事では、期限である「令和8年7月15日」までに、事業所内部で確実に洗い出し、整理しておくべき実務手順を、国の最新マニュアルに照らし合わせて具体的に解説いたします。

1.今回の報告依頼の法的な位置づけ

こども性暴力防止法施行後、対象となる事業者は、従事者の性犯罪前科の確認(犯罪事実確認)等を、国が構築する「こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)」を通じて行うことになります。 今回の大阪市への報告は、このシステムを利用するための事業者アカウントを発行するにあたり、対象事業者の情報を所轄庁がとりまとめ、こども家庭庁へ一括登録するための基礎データとなるものです。 したがって、ここで情報の漏れやGビズIDの不備が発生すると、施行日(12月25日)からのシステム利用に支障をきたし、今後の採用活動等に影響を及ぼす可能性があるため、確実な対応が求められます。

2.児発・放デイ等における「対象事業所」の確認と留意点

今回の通知の対象には、児童福祉法に基づく障がい児通所支援事業所等が含まれます。児童発達支援放課後等デイサービス保育所等訪問支援居宅訪問型児童発達支援障がい児入所施設などを運営している法人は、自法人の事業所が対象に含まれるかを確認します。

実務上ご注意いただきたいのは、多機能型事業所等の取り扱いです。 例えば、1つの建物で児童発達支援と放課後等デイサービスを一体的に運営している場合でも、今回のシステム登録上は、原則として「指定を受けているサービス種別(事業所番号)ごと」に情報を整理して報告する必要があります。法人内に複数の事業所がある場合は、対象事業所を網羅した一覧表を作成しておくことが、報告漏れを防ぐ第一歩となります。

3.7月15日までに事業所内で洗い出すべき4つの具体的事項

大阪市行政オンラインシステムを通じて報告を行う前に、法人本部及び各事業所において、以下の4つの情報を整理・確定させておくことが実務上有効です。

① GビズID(プライム)の取得状況と登録情報の最新化

システム利用の鍵となるのが、法人代表者の「GビズID(プライム)」です。複数の事業所を展開している法人であっても、取得するGビズID(プライム)は法人代表者の「1つ」のみで差し支えありません。過去に処遇改善加算や補助金申請で取得済みの場合でも、以下の点にズレがないか必ずご確認ください。

  • 登録されている代表者名、法人所在地、登録メールアドレスが現在の情報と一致しているか。
  • 代表者が交代している場合、単なる情報変更ではなく、新代表者名義でのGビズIDの再取得が必要となります。その際、マイページ上で旧アカウントからの『情報の引継ぎ(継承)』手続きも必要となるため、現在の運用状況を早めにご確認ください。
法人情報と事業所情報の明確な切り分け

報告にあたっては、法人としての情報(本店所在地等)と、事業所としての情報(実際の支援提供場所等)区別して入力します。過去の指定申請時や変更届提出時の控えと照らし合わせ、現在の運営実態と行政の登録情報に齟齬がないかを確認しておくことをおすすめします。また、地方自治体から指定管理や委託を受けて運営している事業所については、その「施設等運営者の区分」も報告事項となります。

「施行時現職者数(概数)」の把握

システムの登録情報として、各事業所における「施行時現職者数の概数」の報告が求められます。これは、施行日(12月25日)時点で、こどもと接する業務(対象業務)に従事している、あるいは従事することが決定している職員の総数です。職種や雇用形態(正社員、パート等)を問わず、支配性継続性閉鎖性の3要件を満たす業務を行うスタッフが何名いるか、概数を算出しておきます。 また、実務上の重要なポイントとして、義務対象事業(放デイ等)と認定対象事業(居宅介護等)をガイドラインの要件を満たして一体的に運営している場合、認定対象事業の従事者も含めて合算し、義務対象事業の「施行時現職者数」として一括して報告(犯罪事実確認)することが認められています。

照会に対応できる「担当者」の選定

報告後、こども家庭庁から登録内容に関する確認の連絡が入る場合があります。そのため、報告時に「担当者の氏名・連絡先」を記載する必要があります。この担当者は、GビズIDのアカウントを保有している代表者本人である必要はなく、行政からの照会に実務として対応できる方(管理者や事務担当者等)を選定して記載します。なお、複数の事業所を展開する法人様においては、各現場の職員ではなく、法人本部の従事者を担当者として記載し、本部で一括して照会に対応することも可能とされています。また、選定した実務担当者が今後実際にシステムを操作できるよう、代表者の『GビズID(プライム)』を共有して使い回すのではなく、担当者専用の子アカウントである『GビズIDメンバー(第一管理者)』をマイページから発行しておくことをおすすめします。

4.確認漏れを防ぐための社内連携と対応フロー

複数の事業所を展開する法人様においては、行政手続の確認が法人本部または特定の管理者に集中し、情報共有にタイムラグが生じるケースが見受けられます。「本部は現場が対応していると考え、現場は本部が対応していると認識していた」という連携エラーを防ぐため、以下の手順で進めることが安全です。

  • 通知の共有:大阪市からの通知内容を、法人代表者、管理者、事務担当者の間で共有する。
  • 情報の集約:前述の4つの具体的事項(GビズID、事業所情報、現職者数、担当者)を社内で取りまとめる。
  • オンライン報告の実施:取りまとめた情報をもとに、7月15日までに「大阪市行政オンラインシステム」から報告を行う。
  • 記録の保存:送信完了画面や受付完了メールをPDF等で保存し、報告日と対応者を記録に残す。

特に「記録の保存」は、後日、所轄庁やこども家庭庁から手続の進捗に関する問い合わせがあった際、自社の対応状況を即座に証明するために極めて重要です。

5.今後の採用・人事労務管理との切り分けについて

こども性暴力防止法の施行に向けては、今後、採用時の犯罪事実確認フローの構築や、就業規則への「重要な経歴の詐称」を理由とする内定取消事由・懲戒事由の追加厳格な情報管理規程の策定など、多岐にわたる労務対応が必要となります。 しかし、今回の大阪市への報告は、あくまで「システムを利用するための事業者情報の登録準備」に限定されています。 すべての制度対応を一度に整えようとすると現場の負担が大きくなりますので、まずは「7月15日までの事業者情報の報告」を確実に行い、その後の社内規程の見直しや職員への周知は、施行日までの期間を利用して段階的に検討・進行していくという切り分けが現実的です。

まとめ(実務チェックリスト)

今回の報告依頼に関し、最終確認として以下の項目をご活用ください。

  • 自法人の対象事業所(児童発達支援、放課後等デイサービス等)をすべてリストアップしたか
  • 法人情報と事業所情報(所在地や連絡先)を整理したか
  • GビズID(プライム)の現在のログイン状況と、登録情報(代表者等)の最新性を確認したか
  • 各事業所の「施行時現職者数(概数)」を把握したか
  • 行政からの照会に対応する「担当者」を選定したか
  • 法人本部、管理者、事務担当者の間で進行状況を共有しているか
  • 大阪市行政オンラインシステムから期限(7月15日)までに報告を完了したか
  • 送信控えや受付完了メールを保存し、記録として残しているか

こどもたちに安全な支援を提供し続けるための重要な制度的基盤として、本記事が貴法人の円滑な手続進行の一助となれば幸いです。

(参考)こども性暴力防止法の施行に向けた対象事業者情報の登録に係る報告について(大阪市)

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