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はじめに
訪問系の障がい福祉事業所にとって、訪問先での駐車場所の確保は、日々の業務に関わる現実的な課題です。居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、移動支援などでは、職員が利用者宅を訪問する場面が多く、訪問先周辺に駐車場がない、短時間の訪問を連続して行う、車両の移動が多いといった事情が生じます。
このような場面で確認しておきたい制度として、「駐車禁止除外指定車標章」と「駐車許可」があります。ただし、この二つは同じ制度ではありません。
大阪府下で福祉施設として事業所用の駐車禁止除外指定車標章を検討する場合、大阪府警の案内では、対象車両について一定の条件が示されています。福祉施設に係る車両については、車検証の車体の形状欄に「車いす移動車」「患者輸送車」「身体障害者輸送車」のいずれかの記載がある車両、いわゆる8ナンバー車両に限るとされています。
そのため、通常の訪問介護・居宅介護等で、職員が一般的な乗用車や軽自動車を使って利用者宅を訪問する場合は、「駐車禁止除外指定車標章」ではなく、訪問先ごとの事情に応じた「駐車許可」の確認が中心となる場合があります。
この記事では、大阪府下で事業所用の駐車禁止除外指定車標章を検討する際に、車検証、保管場所、事業内容、使用実態をどのように整理するかを確認します。
1.まず車検証で対象車両かを確認する

申請準備の第一歩は、車検証の確認です。
特に確認したいのは、車検証の「車体の形状」欄です。大阪府下で福祉施設に係る事業所用標章を検討する場合、「車いす移動車」「患者輸送車」「身体障害者輸送車」のいずれかの記載があるかを確認します。
この確認をしないまま書類を集め始めると、制度の選択を誤る可能性があります。まずは、申請を検討している車両が、事業所用の駐車禁止除外指定車標章の対象となる車両なのかを確認することが大切です。
次に、車検証の「使用者」欄を確認します。事業所では、車両が法人名義ではなく、リース車両や職員の個人名義の車両を業務に使っている場合があります。
車検証の使用者欄が法人・事業所と異なる場合は、車両使用承諾書など、法人がその車両を業務に使用していることを説明できる資料が必要になります。職員の私有車を対象にできるかどうかは、車両の管理実態や使用形態によって判断が分かれるため、申請前に大阪府警へ確認しておく必要があります。
2.大阪府下での申請窓口と必要書類
大阪府下で事業所用の駐車禁止除外指定車標章を申請する場合、現在の大阪府警の案内では、警察署ではなく大阪府警察本部での手続きとされています。受付方法や予約の要否は変更される可能性があるため、申請前に大阪府警の最新案内を確認する必要があります。
申請に向けて準備する主な書類としては、次のようなものがあります。
・駐車禁止除外指定車標章交付申請書(事業所用)
・自動車検査証の写し、または自動車検査証記録事項が記載された書面
・障害福祉サービス事業等の指定通知書または指定更新通知書の写し
・車検証の使用者欄が法人・事業所と異なる場合は、車両使用承諾書等
・その他、事業内容や車両使用の実態を確認するための資料
なお、利用契約書、訪問予定表、サービス提供記録、運営規程、定款などは、申請書類として常に一律に求められるものではありません。ただし、事業内容や車両の使用実態を説明するための確認資料として、準備しておくとよい書類です。
手続きの際には、担当者から車両の使用目的、事業内容、日々の稼働状況などについて確認されることがあります。そのため、指定通知書だけでなく、実際にその車両をどの業務で使っているのかを説明できる資料を整理しておくと、事業所側でも説明しやすくなります。
3. 保管場所と使用実態を整理する

車検証とあわせて、保管場所の確認も必要です。
確認するのは、車庫証明の有無だけではありません。普段どこを拠点に車両が動いているのか、事業所の所在地と車両の保管場所に不自然なズレがないか、月極駐車場を利用している場合は契約関係が整理されているかを確認します。
また、実際にその車両をどのように使っているかも整理しておきます。
例えば、直近1か月程度の訪問予定表、ヘルパーのシフト表、サービス提供記録、送迎記録、車両使用管理表などを確認し、どの車両を、誰が、どの業務で、どの程度使用しているかを把握します。
車いす移動車を使って利用者の移動に関係する業務を行っている場合は、その車両がどの利用者支援に使われているのか、どの時間帯に稼働しているのかを説明できるようにしておくとよいでしょう。
保管場所と使用実態の整理は、単なる書類集めではありません。事業所として、その車両をどのように管理し、どの業務で必要としているのかを確認する作業です。
4.事業内容と指定内容を確認する
車両だけでなく、事業内容の整理も重要です。
申請時には、現在の運営実態が、指定通知書や法人の事業目的と大きくずれていないかを確認します。例えば、法人として障がい福祉サービス事業を行っている場合、定款に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」等の記載があるか、指定通知書や運営実態と大きなズレがないかを確認しておくとよいでしょう。
また、運営規程の内容、サービス提供記録、車両の使用記録に不自然なズレがないかも確認します。
指定通知書上は障がい福祉サービス事業を行っているが、対象車両をどの業務で使っているのか説明しにくい、記録上その車両の稼働が確認できない、といった状態では、申請時の説明が難しくなります。
変更届が漏れている場合や、事業所の実態と指定内容にズレがある場合は、標章の申請前に、まず本体の事業運営上の整理を行う必要があります。
5.申請理由は実態に沿って整理する
申請書の理由欄を整理する際は、単に「訪問先に駐車場がないため」と書くのではなく、対象車両、指定内容、車両の用途、実際の使用場面を関連づけて説明することが重要です。
例えば、福祉施設が車いす移動車等を使用して利用者の送迎や移動支援に関係する業務を行っている場合には、指定通知書の内容、車検証上の車体の形状、車両を使用する業務の内容を整理しておきます。
このとき、「訪問系だから除外標章が取れる」と考えるのではなく、対象車両の要件と、実際の使用場面が説明できるかを確認することが大切です。
6.取得後の使用ルールを決めておく

標章を取得した場合でも、自由にどこでも駐車できるわけではありません。大阪府警のルールでは、標章は駐車するときに限り、外から見やすい箇所に、有効期限が記載された面を掲出する必要があります。
また、交差点付近などの法定駐車禁止場所、車庫代わりの路上駐車、長時間駐車、交通の妨げとなる駐車は避ける必要があります。標章や許可は、事業所の駐車経費を削減するための制度ではありません。
訪問先周辺にコインパーキングなどの利用可能な駐車場がある場合は、まずその利用を検討することが基本です。特に駐車許可を検討する場合には、訪問先付近に利用可能な駐車場がないか、または利用が困難かどうかが重要になります。
事業所内では、誰が標章を管理するのか、どの車両で使うのか、使用後にどのように記録するのか、駐車場所に迷った場合に誰へ確認するのかを決めておくと、不適切使用の防止につながります。
まとめ
大阪府下で事業所用の駐車禁止除外指定車標章を検討する場合は、まず車検証を確認し、対象車両に該当するかを整理します。そのうえで、指定通知書、車両使用承諾書、保管場所、車両の使用記録、訪問予定表などを確認し、車両の使用実態を説明できる状態にしておくことが大切です。
駐車に関する制度は、日々の訪問業務を支える一方で、使い方を誤ると駐車違反や不適切使用につながります。申請前の書類整理だけでなく、取得後の使用ルールまで含めて確認しておくことが、確実な手続きと適切な運用につながります。