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就労継続支援B型

就労継続支援B型:平均工賃3万円台を達成する事業所の5つの特徴

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はじめに

令和6年度の報酬改定で平均工賃月額の算定方法が見直された結果、全国的に平均工賃が上昇傾向にあります。厚生労働省の資料によれば、新算定方式が適用された令和6年度の就労継続支援B型の全国平均工賃月額は24,141円となり、計算式の見直しに伴って全国的に平均工賃が大きく上昇(約6千円増)しました。この全国的な算定上の工賃上昇の実態を受け、令和8年度からは、基本報酬区分の基準額がそれぞれ3千円引き上げられることが決定しています。

一方で、大阪府が公表した最新データによれば、令和6年度の大阪府内の平均工賃月額は「19,747円」にとどまっています。全国平均を下回る現状の工賃水準を維持するだけでは、次年度以降に報酬区分が下がるリスクが生じます。 府内平均を1万円以上も上回る「3万円台」を達成するためには、今まで以上に戦略的な事業運営が求められます。 本記事では、高工賃を安定的に達成している事業所に共通する5つのポイントを実務的な視点からご紹介します。

1.「受注仕事だけ」の構造から抜け出し、一般就労を見据えている

工賃が伸び悩む事業所では、単価の決定権が発注側にある軽作業の下請け等に売上の多くを依存している傾向があります。高工賃事業所は、製菓、農産加工、清掃、データ入力など、自社で価格設定可能な自主製品やサービスの割合を増やし、利益率を高める工夫を行っています。 また、近年の運営指導や新規指定時の審査では、eスポーツや植物の水やりを1日数回行うだけの活動、所定の場所に居ればよいといった実態の伴わない活動への監視が厳格化しています。「地域の中に当該生産活動により習得した能力が活かされる労働市場や求人があるか」という、一般就労への接続を意識した仕事づくりが行政からも強く求められています。

2.継続的な取引先など、複数の販路を持っている

工賃を安定的に高く保つためには、販路の開拓と維持が欠かせません。平均工賃が高い事業所は、単発の販売だけでなく、定期的に購入・発注してくれる企業や自治体などの継続的な取引先を複数確保しています。販路を分散させることで、一部の注文が減った際のリスクを軽減し、安定した収益と作業量を維持できる体制を作っています。

3.生産活動収支の厳格な管理と加算の活用

行政による運営指導等において、「生産活動シート」を用いた生産活動収支の実態把握が厳格化されます。特に、福祉事業会計と生産活動会計が明確に区分されているか、自立支援給付費等が実質的に利用者の賃金・工賃に充てられていないかといった点が厳しく確認されます。 高工賃事業所は、材料費や外注費等の原価管理を徹底し、「最終的にどれだけ工賃に回せるか」を数字で説明できる体制を整えています。また、明確な工賃目標の設定と実績管理を行うことで、令和6年度に新設された「目標工賃達成加算(10単位/日)」や「目標工賃達成指導員配置加算」などの加算を積極的に取得し、さらなる報酬向上へと繋げています。

4.障がい特性に応じた作業工程の細分化とマッチング

現場レベルで大きな差になるのは、利用者ごとの特性に合わせて工程を細分化し、仕事を組み立てているかという点です。 全員に同じ作業を求めるのではなく、利用者の手先の器用さ、集中力、接客力、パソコン作業への適性、通所状況などの特性を踏まえて工程を分け、個々が無理なく参加できる形に作業を設計することをおすすめします。利用者に仕事を合わせる(マッチングする)視点を持つことが、結果的な品質向上や売上安定につながります。

5.現場レベルでの業務効率化と支援の連動

高工賃事業所では、管理層だけでなく現場の支援員も、利用者の働きやすさと生産性の向上を両立させる視点を持っています。手順書の視覚化、作業を補助する治具の導入、動線の見直しといった環境整備(合理的配慮)を支援の一環として実践しています。 厚生労働省が示す工賃向上の方向性も、単に売上を増やすことだけではなく、支援体制や事業運営を含めた改善を前提としています。支援と業務効率化を連動させる仕組みづくりが求められます。

まとめ

就労継続支援B型で平均工賃3万円台を達成している事業所には、以下の共通点が見られます。

  • 一般就労を見据えた実態のある自主製品やサービスを育てている
  • 継続的な取引先など、複数の販路を持っている
  • 給付費の補填を行わず、生産活動収支を数字で客観的に管理し、加算を活用している
  • 障がい特性に合わせて工程を細分化・設計している
  • 環境整備や治具の活用により、支援と業務効率化を連動させている

仕事の種類、売り方、原価管理、工程設計を見直すことで、工賃の改善が期待できます。令和8年度の報酬区分基準額の引き上げや、生産活動シートによる運営指導の厳格化を見据え、事業所運営を見直す指標としてご活用ください。

 

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