LINEで相談

記録・請求・実績管理

障害福祉事業所が毎年・毎月・変更時に確認する手続き|年間運営スケジュール

はじめに

障がい福祉・児童福祉事業所では、指定を受けた後も、毎月の請求や人員配置、個別支援計画、研修・委員会、情報公表、各種届出など、年間を通じてさまざまな確認が必要です。

一つひとつの制度を確認していても、

「今月は何を確認すればよいのか」
「年に1回必要なものは何だったか」
「職員が変わったときは何を確認するのか」

が分かりにくくなることがあります。

そこで本記事では、細かな制度を網羅するのではなく、

「毎月」「毎年」「サービス別」「変更時」

の4つに分けて、年間の確認事項を見ていきます。

1.まず年間業務を4つに分けて確認する

障がい福祉事業所の運営を年間で見る場合、次の4つに分けると把握しやすくなります。

確認する時期 主な確認事項
毎月 人員配置・請求・個別支援計画
毎年 研修・委員会・訓練・公表・報告
サービス別 スコア・工賃・地域連携・自己評価など
変更時 変更届・人員基準・加算への影響

例えば月末には翌月の勤務表を確認する。

年度初めには、研修・委員会・訓練の年間予定を確認する。

職員が退職するときには、人員基準や加算への影響を確認する。

このように、制度名ではなく「いつ確認するか」で年間予定を組むと分かりやすくなります。

2.毎月確認すること|人員・請求・個別支援計画

毎月確認したいものは、大きく3つです。

【人員配置】

翌月の勤務表を作成する際には、必要な職種・人数が確保されているかを確認します。

退職・休職、勤務時間、常勤・非常勤、兼務関係などに変更があれば、常勤換算や配置状況も変わります。

基本となる人員基準だけでなく、算定している加算の配置要件を満たしているかも併せて確認します。

【請求・加算】

毎月の国保連請求では、利用日数、提供時間、欠席、送迎、各種加算などを確認します。

請求ソフトの数字だけではなく、

実績記録票・支援記録・送迎記録などと請求内容が一致しているか

を見ることが基本になります。

【個別支援計画】

個別支援計画は、利用者ごとに作成・モニタリング・見直しの時期が異なります。

そのため、月ごとに、

「今月、期限を確認する利用者は誰か」

を一覧にしておくと確認しやすくなります。

毎月は、

人員・請求・計画

の3つを基本にすると分かりやすいでしょう。

3.毎年確認すること|研修・委員会・公表・報告

年単位で確認する事項は、大きく3つに分けます。

① 研修・委員会・訓練

障がい福祉・児童福祉事業所では、虐待防止、身体拘束等の適正化、感染症対策、BCPなどについて、委員会、研修、訓練等が必要になります。

これに加えて、事業所の消防法上の取扱いや消防計画等に応じて、消火・避難訓練なども年間予定に入ります。

必要な実施頻度は、項目やサービス種別、事業所の状況によって異なります。

そのため年度初めに、

「今年度、何を・いつ・何回実施するか」

を確認して、年間予定に入れておくと分かりやすくなります。

実施後は、議事録、参加者、研修資料、訓練記録なども残しておきます。

② 情報公表・経営情報

障害福祉サービス等情報公表制度では、事業所情報を毎年度報告します。

具体的な報告期限は都道府県等が定めるため、指定権者等からの案内を確認します。

これとは別に、障害福祉サービス等事業者の経営情報の報告があります。

経営情報は原則として、

毎会計年度終了後3か月以内

に報告します。3月決算法人であれば、通常は6月末までが一つの目安です。

「情報公表」と「経営情報」は似ていますが、年間予定上は別項目としておく方が分かりやすくなります。

③ 処遇改善加算

福祉・介護職員等処遇改善加算を算定している場合は、

計画書
↓
賃金改善
↓
実績報告

という年間の流れがあります。

年度ごとに様式や取扱いが示されるため、最新の通知・指定権者の案内を確認します。

このほか、労務管理上、常時使用する労働者については原則として1年以内ごとに1回の定期健康診断が必要です。深夜業など特定業務に従事する場合には、別の頻度が定められています。

4.サービス別|年間で追加して確認したいこと

ここまでの内容は、多くの障がい福祉・児童福祉事業所に共通する確認事項です。

そのうえで、自事業所のサービスに応じて追加します。

サービス 年間で特に確認したい事項
生活介護 前年度実績・人員配置・報酬/加算
就労継続支援A型 スコア方式・公表・報酬区分
就労継続支援B型 平均工賃・目標工賃・報酬区分
共同生活援助(GH) 地域連携推進会議・事業所見学
児発・放デイ 自己評価/安全計画の見直し/支援プログラムの確認
生活介護|前年度実績と人員・加算

生活介護では、年度替わりに前年度の利用状況や利用者の状況を確認し、新年度の人員配置や報酬・加算との関係を確認します。

流れとしては、

前年度実績
↓
人員配置
↓
報酬・加算

です。

年度替わりに、前年のままの配置・算定内容でよいかを一度確認しておくと分かりやすくなります。

就労継続支援A型|年度替わりは「スコア」

A型では、前年度の実績を基にスコアを算出し、今年度の基本報酬区分を確認します。

スコアについては、公表も含めて確認します。

前年度実績
↓
スコア算出
↓
公表・必要な手続
↓
基本報酬区分

という流れです。

経営状況によっては、経営改善計画の作成・提出が関係する場合もあるため、該当する事業所では併せて確認します。

A型では、まず「年度替わり=スコア」と考えると分かりやすいでしょう。

就労継続支援B型|年度替わりは「工賃」

B型では、年度ごとに工賃の目標水準を設定し、目標工賃と前年度の平均工賃を利用者に通知するとともに、都道府県等へ報告することが求められています。

また、報酬体系によっては、前年度の平均工賃月額が基本報酬区分にも関係します。

そのため、

前年度平均工賃
↓
目標工賃
↓
利用者への通知・必要な報告
↓
基本報酬区分

という流れで確認します。

B型では、「年度替わり=工賃」と考えると分かりやすくなります。

共同生活援助|地域連携推進会議と見学

共同生活援助では、地域連携推進会議が年間予定の重要な項目になります。

原則として、

おおむね年1回以上の地域連携推進会議

と、

おおむね年1回以上の構成員による事業所見学

の機会を設けます。

さらに、会議での報告、要望、助言等について記録を作成し、公表します。

年度初めに会議と見学の時期を決めておくと、年間で管理しやすくなります。

児発・放デイ|3つを同じ「年1回」と考えない

児童発達支援・放課後等デイサービスでは、

自己評価・安全計画・支援プログラム

について確認します。

ただし、この3つをすべて「年1回作り直すもの」と考える必要はありません。

自己評価は、職員や保護者等による評価を踏まえて実施し、結果等を公表します。

安全計画は、定期的に見直しを行い、必要に応じて変更します。また、安全計画に基づく職員への周知、研修・訓練等も確認します。

支援プログラムは、5領域との関連を明確にして作成・公表し、公表方法・内容を指定権者へ届け出ます。その後も、事業所の支援内容や体制などに変更がないか確認しておくとよいでしょう。

したがって年間予定では、

自己評価=実施・公表

安全計画=定期的な見直し

支援プログラム=公表内容の確認

と分けておくと分かりやすくなります。

安全計画や支援プログラムを、毎年度必ず一から作り直すという意味ではありません。

5.変更があったとき|変更届だけでなく人員・加算も確認する

年間予定とは別に確認したいのが、事業所に変更があったときです。

例えば、職員や管理者・サビ管・児発管が変わった、営業日・営業時間を変えた、建物・設備を変更した、利用定員を変更した、といった場合です。

このときに確認するのは、変更届の有無だけではありません。

確認事項 内容
届出 変更届・変更申請等が必要か
人員 人員基準を満たしているか
加算 算定要件に影響しないか
書類 運営規程等の修正が必要か

特に職員の退職や勤務時間の変更では、届出より先に、人員基準や加算への影響を確認する必要がある場合があります。

そのため、可能であれば変更後ではなく、変更を決める段階で確認する方がよいでしょう。

6.年間スケジュールは「期限」より「確認する時期」で作る

最後に、年間の動きをまとめます。

時期 確認すること
毎月 人員・請求・個別支援計画
年度初め 人員体制・加算・研修・委員会・訓練予定
年度中 研修・委員会・訓練・各種公表
決算後 経営情報
サービス別 スコア・工賃・地域連携・自己評価等
変更時 届出・人員・加算・運営規程

行政への提出期限だけを並べるよりも、

「この時期になったら、これを見る」

という確認表にしておく方が、日常の運営では使いやすくなります。

まとめ

障がい福祉・児童福祉事業所の年間手続きは、すべてを個別に覚えるより、確認する時期で分けると把握しやすくなります。

まず、

毎月=人員・請求・計画

毎年=研修・委員会・訓練・公表・報告

を確認します。

そのうえで、

生活介護=前年度実績と人員・加算

A型=スコア

B型=工賃

GH=地域連携推進会議・見学

児発・放デイ=自己評価・安全計画の見直し・支援プログラムの確認

を追加します。

さらに、人員、営業時間、設備、定員などに変更がある場合は、変更届の有無だけでなく、人員基準・加算・運営規程への影響も確認します。

年間予定表を作る場合は、細かな制度名を並べるだけではなく、

「毎月」「毎年」「サービス別」「変更時」

の4つに分けておくと、自事業所で次に何を確認すればよいかが見えやすくなります。

※必要な研修・委員会・訓練の頻度、報告期限、届出方法などは、サービス種別や指定権者、事業所の状況によって異なります。実際の運用では、最新の法令・通知および指定権者等の案内をご確認ください。

指定申請・運営サポートをご検討中の方へ
サービス内容や進め方についてご案内いたします。

▶ 初回相談はこちら(30分・無料)

関連記事

最近の記事
  1. 障害福祉事業所が毎年・毎月・変更時に確認する手続き|年間運営スケジュール
  2. 令和9年度報酬改定で在宅支援・施設外就労はどう変わる?|就労系サービスの見直し案を確認
  3. 令和9年度報酬改定で訪問系にも?|ピアサポート体制加算・実施加算と「100単位/月」を確認
目次