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外国人職員を採用したいと思ったら最初に何を確認する?|障害福祉・介護事業所が知っておきたい在留資格と採用までの流れ

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はじめに

福祉・介護の現場で外国人職員の採用を検討する際、「在留資格(ビザ)のルールが分からない」「手続きや実務の流れが見えない」と躊躇してしまうケースは少なくありません。

本記事では、事業所が外国人採用を検討する際に「まず最初に何を確認し、どのようなステップで進めるべきか」を整理・解説します。

1.最初に「どの仕事を、どの事業所で任せるか」を整理する

外国人採用を進める際、最初に行うべきなのは在留資格の選定ではなく、「自社のどの事業所で、どのような職種として、どんな業務を任せたいのか」という現場の実務整理です。

まずは採用前に、自社で任せたい具体的な業務をリストアップします。

  • 食事、排せつ、移動などの直接的な身体介助
  • 日中活動のサポートやレクリエーションの進行
  • 利用者の送迎(運転業務)
  • 夜勤帯のケアや見守り、事務処理など

外国人は在留資格ごとに「日本国内で行うことができる活動(就労範囲)」が法律で厳格に定められています。任せたい業務を明確にすることで、在留資格のミスマッチを防ぐことができます。

2.福祉・介護の現場で活躍する「4つの代表的な在留資格」

福祉・介護事業所で雇用可能な主な在留資格は、以下の4つに大別されます。

在留資格 制度の概要 福祉・介護現場での想定業務
特定技能1号(介護分野) 一定の介護技能と日本語能力を持つ即戦力人材 身体介護、およびレクリエーション等の付随業務
在留資格「介護」 日本の「介護福祉士」国家資格の保持者 介護業務全般、他職員への指導・マネジメント
技術・人文知識・国際業務 学術的・専門的知識を必要とする業務を行う人材 通訳・翻訳、管理事務など(※直接の身体介護・送迎等は原則不可)
身分系の在留資格(永住者等) 就労活動に制限のない在留資格(定住者、配偶者等含む) 日本人と同様、身体介護から送迎、事務まで幅広く可能

※留学生などの「資格外活動許可(週28時間以内)」によるアルバイト雇用も可能です。 応募があった場合は、現在持っている在留資格を「在留カード」で確認することから始まります。

3.「特定技能1号」と在留資格「介護」の違い

実務上混同されやすい「特定技能1号(介護分野)」と在留資格「介護」は、制度の目的が異なります。

特定技能1号(介護分野)

深刻な人手不足に対応するための即戦力人材向けの制度です。介護技能・日本語試験の合格(または介護分野の「技能実習2号」修了)が要件となります。

在留資格「介護」

日本の「介護福祉士」国家資格を保持していることが前提となる、専門職向けの就労資格です。

「特定技能1号」は一定の技能を評価された就労者、在留資格「介護」は国家資格保持者による就労と整理できます。

4.障害福祉・児童福祉事業所における「特定技能1号」の活用

介護分野の「特定技能1号」は、高齢者施設だけでなく、多くの障害福祉サービス(生活介護、グループホーム等)や児童福祉サービス(放課後等デイサービス、児童発達支援等)でも受入れが可能です。

【法改正】訪問系サービスへの従事要件

これまで施設内勤務に限定されていた特定技能1号ですが、法改正(令和7年4月21日施行)により、要件を満たすことで訪問介護や居宅介護などの「訪問系サービス」への従事も可能となりました。

【主な従事要件】
  1. 研修要件:介護職員初任者研修課程(または相当する研修)の修了
  2. 実務経験:介護事業所等での実務経験が原則1年以上
  3. 体制整備:同行訪問による指導、ハラスメント対策、ICTを活用した安全管理、利用者への事前説明と同意など

これにより、訪問介護等の事業所でも外国人人材の本格的な活用が視野に入ります。

5.在留資格「介護」は障害福祉・児童福祉でも使えるか

在留資格「介護」は、高齢者施設に限定されません。重要なのは「介護福祉士の資格を有し、実際にその施設で介護または介護の指導に直接従事するか」という実態です。 生活介護やグループホーム、放課後等デイサービスなど、介護福祉士の実務経験として認められている福祉施設であれば、在留資格「介護」が認められる可能性があります。

6.「在留資格の適法性」と「人員配置基準の算入」を分けて考える

福祉事業所の運営において極めて重要なのが、「人員配置基準」への算入可否です。 外国人が入管法上適法に働けることと、「指定基準上の職種として配置(カウント)できるか」は別問題です。

  • 特定技能1号(介護分野):厚生労働省の取扱いにより、就労開始時から配置基準(直接処遇職員)に算入可能です。ただし、安全確保のため、一定期間は日本人職員等とチームでケアに当たる体制が求められます。

※事業所ごとに、特定技能1号(外国人)の人数が、常勤介護職員の総数(常勤換算ではなく実人数)を超えることはできません。

  • 児童指導員・サービス管理責任者(サビ管)など:これらの特定職種に配置するには、国籍に関わらず、法令で定められた実務経験や資格、研修修了要件を個別に満たしている必要があります。

トラブルを防ぐためにも、以下の二重チェックが実務上必須です。

  1. 入管法上のチェック:その業務を行うことが在留資格上認められているか
  2. 福祉各法上のチェック:指定基準上の職種として算入要件を満たしているか

7.【面接時の実務】在留カードで確認すべき3つのポイント

応募者があった際は、必ず「在留カード」の現物を確認します。

  1. 在留資格(おもて面):「留学」「特定技能」「家族滞在」など、現在の種類を確認します。
  2. 在留期間(おもて面):在留期限(満了日)が切れていないか確認します。
  3. 資格外活動許可欄(うら面):就労不可の在留資格(留学等)であっても、裏面に「原則週28時間以内」などの許可印があれば、その範囲内でアルバイト雇用が可能です。
⚠️ 実務上の注意点:順序の遵守

「採用を先に決めて、在留資格の手続きを後回しにする」のは避けてください。在留資格に適合しない業務に就かせた場合、事業所側も「不法就労助長罪」に問われるリスクがあります。「在留資格の確認 業務との照合 手続き 雇用開始」の順序を徹底します。

8.採用後のサポート体制と活用できる「公的支援・補助金」

特に「特定技能1号」を採用する場合、事業所側には法令に基づく手続きとサポートが義務づけられています。

  • 特定技能・育成就労協議会への加入:申請前に加入し、証明書を取得して申請書類に添付します。
  • 1号特定技能外国人支援計画の実行:生活支援や日本語学習機会の提供など、10項目の支援義務があります(登録支援機関への委託が一般的です)。
大阪府の公的支援・補助金の活用

初期費用や受入体制整備の負担を軽減するため、大阪府が提供している以下の公的施策の活用を推奨します。

  • 外国人介護人材マッチング支援事業:受入制度の説明会や、マッチング・受入体制構築に向けた無料の伴走支援を利用できます。
  • 外国人介護人材受入施設等環境整備事業(補助金):外国人職員を雇用する法人に対し、コミュニケーション機器の導入や学習支援等の経費として、1施設あたり上限20万円(補助率2/3)が補助されます。

※補助金等の対象要件・対象事業所の詳細は、大阪府の最新の公募要領等をご確認ください。

9.雇用開始・離職時に必須となる「外国人雇用状況の届出」

すべての事業主は、外国人の雇入れおよび離職の際、ハローワークへの届出が義務づけられています。これを怠ると、30万円以下の罰金対象となるため、確実に行う必要があります。

  • 雇用保険の被保険者となる場合:通常の「雇用保険被保険者資格取得届」または「資格喪失届」に必要事項を記載してハローワークに提出することで、届出が完了します。
  • 雇用保険の被保険者にならない場合(アルバイト等):雇入れ・離職の翌月末日までに、「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」をハローワークに提出する必要があります。

まとめ|実務フローのチェックリスト

外国人採用は、順を追って実務を整理すれば、過度な懸念を抱く必要はありません。以下のチェックリストを参考に、自社に最適な体制を検討してください。

□ 任せたい具体的な「業務内容」と「従事する事業所」を明確にする
□ 応募者の「在留カード」で現在の在留資格と期限を直接確認する
□ 任せる業務が在留資格の範囲内(適法性)であることを照合する
□ 人員配置基準に算入できるか、各職種の資格要件を確認する
□ 協議会入会や支援計画、登録支援機関への委託費用をシミュレーションする
□ 大阪府のマッチング伴走支援や環境整備補助金(上限20万円)を活用する

法令順守と受入体制の事前整備を確実に行うことが、最終的に安定した人材定着と採用の成功につながります。

 

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