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はじめに
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、保護者から「今日、追加で利用したい」「欠席した日の振替をお願いしたい」と連絡が入ることがあります。
すでに利用予定が定員に達している場合、事業所は受け入れてよいのでしょうか。
現場では、「当日欠席する児童がいるかもしれない」「職員数には余裕があるから、あと1人なら対応できる」と考えがちです。しかし、定員超過は、当日の状況だけで判断できる問題ではありません。
確認しなければならないのは、主に次の3点です。
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利用定員を超えるやむを得ない事情があるか
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定員超過利用減算に該当しないか
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実際の利用児童数に応じた人員を配置できるか
特に注意したいのは、「減算にならない人数」と「受け入れてよい人数」は同じではないという点です。
1.利用定員を超えないことが原則

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、原則として、利用定員および指導訓練室の定員を超えてサービスを提供してはならないとされています。
利用定員は単なる目安ではありません。設備、人員、支援体制などを踏まえて指定を受けた、事業所運営の基本となる数字です。
そのため、「職員が多く出勤している」「支援室にまだ余裕がある」という理由だけで、定員を超えて受け入れることはできません。
例外となるのは、災害、虐待その他のやむを得ない事情がある場合です。
国のQ&Aでは、次のような場合も、やむを得ない事情に該当し得るとされています。
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障害特性や病状などにより欠席しがちで、定期的な利用を見込むことが難しい児童に継続した支援を行う必要がある場合
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家庭や地域資源の状況から、その事業所が受け入れなければ児童の福祉を損なうおそれがある場合
ただし、「保護者から希望があった」「振替利用だから」という理由だけで、当然に認められるわけではありません。個別事情を確認し、判断に迷う場合は指定権者への確認も必要です。
2.恒常的な定員超過になっていないか
やむを得ない事情があっても、恒常的に定員を超えている状態は避けなければなりません。
恒常的な超過かどうかは、1か月の利用児童数の合計と、次の数字を比較して判断します。
「利用定員×その月の開所日数」
例えば、利用定員10人、開所日数22日の場合、月間の延べ定員は次のとおりです。
10人×22日=220人
定員を超えた日が一部にあっても、やむを得ない事情のある児童を除いた月間延べ利用児童数が220人を超えていなければ、国の通知上、「恒常的に利用定員を超えている状態」には該当しないとされています。
もっとも、この計算は定員超過を自由に認めるものではありません。まずは利用日の変更などによって、定員内で受け入れられないかを検討することが原則です。
3.定員超過利用減算には2つの判定がある

定員超過利用減算には、「1日当たり」と「直近過去3か月間」の2つの判定があります。
1日当たりの判定
利用定員50人以下の事業所では、1日の利用児童数が利用定員の150%を超えると、その日の利用児童全員について、基本報酬を所定単位数の70%で算定します。
定員10人の場合は、次のようになります。
- 15人利用:150%を超えないため減算には該当しない
- 16人利用:150%を超えるため、その日の利用児童全員が減算対象
ただし、「15人まで受け入れてよい」という意味ではありません。11人目を受け入れる時点で、やむを得ない事情や人員配置などを確認する必要があります。
直近過去3か月間の判定
定員11人以下の事業所では、直近過去3か月間の延べ利用児童数が、次の数字を超えると、その月の利用児童全員が減算対象になります。
「(利用定員+3人)×直近過去3か月間の開所日数」
例えば、定員10人で、3か月間の開所日数の合計が65日の場合は、次のとおりです。
(10人+3人)×65日=845人
3か月間の延べ利用児童数が845人を超えると、当該月について定員超過利用減算が必要です。
定員12人以上の場合は、「利用定員×開所日数×125%」によって判定します。
定員超過が1日でも生じた場合は、指定権者が示す「定員超過利用減算対象確認シート」などを使い、毎月の請求前に確認しましょう。
4.実際の利用人数に応じた人員配置が必要
定員超過利用減算に該当しない場合でも、人員配置基準を満たしていなければ、適正なサービス提供とはいえません。
国のQ&Aでは、定員を超えて受け入れる場合、原則として実際の利用人数に応じた人員基準と設備基準を満たすことが求められています。
例えば、定員10人の事業所で12人を受け入れる場合、児童指導員または保育士は3人必要になると示されています。
「定員10人だから2人いればよい」のではなく、実際に利用する児童数を基準に確認しなければなりません。
また、職員が出勤していても、送迎や休憩などで直接支援に入っていない時間があります。勤務表上の人数だけでなく、児童が利用する時間帯に必要な職員が配置されているかを確認することが重要です。
人員不足の程度や継続期間によっては、人員欠如減算や給付費の返還につながる可能性があります。
5.追加利用の連絡を受けたときの確認手順

追加利用を依頼されたときは、その場で即答せず、次の順序で確認します。
①利用予定人数を確認する
追加後の人数と利用時間を確認します。「欠席が出るかもしれない」という予測ではなく、確定している予定を基準にします。
②やむを得ない事情を確認する
なぜその日の利用が必要なのか、他の日への振替などでは対応できないのかを確認します。
③職員配置を確認する
追加利用の時間帯に、実際の利用人数に応じた児童指導員・保育士を配置できるかを確認します。
④送迎体制を確認する
車両の乗車定員や送迎ルートだけでなく、送迎に職員が出ることで事業所内の人員が不足しないかも確認します。
⑤減算の判定を行う
1日当たりの人数と、直近過去3か月間の延べ利用児童数の両方を確認します。
⑥判断理由を記録する
定員を超えて受け入れた場合は、依頼の経緯、やむを得ないと判断した理由、当日の職員配置などを業務日誌や支援記録に残します。
運営指導では、勤務実績表、タイムカード、サービス提供実績記録票、支援記録、送迎記録などの整合性を確認されることがあります。
後から帳票を合わせるのではなく、受入れを決める段階で、利用人数、職員配置、送迎記録を一体的に確認する仕組みが必要です。
まとめ
児童発達支援や放課後等デイサービスでは、利用定員を超えないことが原則です。
定員超過利用減算の基準は、「減算が始まる境界」を示したものであり、その人数まで自由に受け入れてよいことを意味しません。
追加利用の依頼があったときは、次の点を確認しましょう。
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やむを得ない事情があるか
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恒常的な定員超過になっていないか
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1日と過去3か月間の減算基準に該当しないか
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実際の利用人数に応じた職員を配置できるか
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送迎を含めた時間帯別の配置に不足がないか
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受入れの経緯と判断理由を記録しているか
受入判断の手順を事業所内で決めておくことが、児童への安定した支援と適正な事業運営の両方につながります。
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