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障害福祉サービス全般

【経営者向け】令和8年6月施行・新処遇改善加算の全容と「規程改定」3つのポイント

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はじめに 【本記事の結論(3つのポイント)】

  • 【対象拡大】 加算の対象が事務員等を含む「全従事者」へ。規程上の対象範囲の書き換えが必要。
  • 【要件厳格化】 上位区分算定には「生産性向上(ICT活用等)」の取組と、14項目以上の職場環境等要件のクリアが必須。
  • 【期限】 6月施行の新制度対応分も含め、計画書の提出期限は「令和8年4月15日」

1.2026年(令和8年)6月報酬改定による処遇改善の拡充

ベースアップ月額1.0万円+上乗せ0.3万円(最大1.9万円の賃上げ措置)

今回の改定では、全産業の賃金水準とのバランスを考慮し、基本となるベースアップとして月額1.0万円(3.3%)の賃上げ措置が行われます。さらに生産性向上や協働化に取り組む事業所には月額0.3万円(1.0%)が上乗せされ、定期昇給分を含めると最大で月額1.9万円の賃上げが可能になる原資が配分されます。

2.処遇改善加算を算定するための「新・4つの柱」

加算を取得(維持)するためには、以下の4つの要件を満たすよう社内体制を整備する必要があります。

月額賃金改善要件(2分の1ルール)

新加算のいずれの区分を取得する場合でも、原則として「新加算Ⅳ相当額の2分の1以上」を月給(基本給または毎月決まって支払われる手当)で配分することが求められます。

キャリアパス要件

昇給の仕組み(資格取得や勤続年数、人事評価に基づく昇給)を規程に明文化し、職員へ周知することが求められます。

職場環境等要件

賃金以外の処遇改善メニューです。令和8年6月改定では求められる取組数が大幅に増加し、加算Ⅰ・Ⅱ(イ・ロ共通)を算定する場合は「各区分からそれぞれ2つ以上(生産性向上区分は3つ以上、うち『①現場の課題の見える化』は必須)」を実施し、全体で14項目以上を満たすことが必須となりました。(※さらに最上位の「ロ」区分を狙う場合は、後述の追加要件があります) これらは実施するだけでなく、職員への周知と外部(ホームページや情報公表システム等)への公表が必要です。

生産性向上・協働化要件(上位区分のみ)

加算Ⅰ・Ⅱの「ロ」区分を算定する場合に必要となる新要件です。ICT機器の活用(記録ソフトの導入等)による業務の効率化や、他法人との協働化への取組が求められます。

経営者様へのワンポイントアドバイス

上位区分(ロ)を狙うためにICT機器等を導入する際は、「加算による増収分」と「システムのランニングコストや操作を覚える現場の負担」のバランスを必ず比較してください。「加算を取るために業務を増やす」のではなく、「今ある事務作業のどれをデジタルに置き換えるか」という逆算の視点でシステムを選定することが、安定経営の鍵となります。

これらの要件は「計画書」で宣言するだけでなく、「就業規則の改訂」「賃金台帳」「研修実施記録」といった客観的な証拠書類と整合していなければなりません。

3.運営指導に備える「規程類」のアップデート

運営指導において加算の「返還」を命じられないためには、計画書を作成するだけでなく、法人の根拠書類である「規程類」を最新の状態に更新し、実態と整合させておく必要があります。

就業規則および賃金規程の改訂

  • 改訂のポイント: 「処遇改善手当」などの名称で支給している場合、令和8年6月改定後の単価に対応した金額設定になっているかを確認します。
  • 昇給ルールの明文化: 「資格取得時に月額〇〇円加算する」「勤続年数〇年で〇級へ昇格する」といった具体的な基準が規程内に明記されている必要があります。

処遇改善計画書と賃金台帳の整合性

自治体へ提出する「処遇改善計画書」に記載した改善見込額と、実際に毎月支払う「賃金台帳」の数字が一致していなければなりません。

  • 対象者の確認: 令和8年6月改定で対象となった事務職等への配分を行う場合、規程上の支給対象範囲を広げる変更が必要です。

職員への周知と合意の記録

改正後の内容を全職員に周知した「証拠」を残すことが義務付けられています。全体会議の議事録、周知用チラシの配布記録などを保存します。

4.2026年度(令和8年度)の申請スケジュールと注意点

4月15日まで:令和8年度「処遇改善計画書」の一括提出

令和8年度は制度改定の過渡期ですが、4月・5月分の算定と、6月以降の新体系に基づく算定の計画書を「あわせて4月15日までに一括提出」することが国から示されています。例年通り「4月15日がデッドライン」であることに変わりはありません。

申請漏れを防ぐための管理

計画書は提出して終わりではありません。年度途中で職員数が大幅に変動した場合や、法人内のキャリアパス構造を変更した場合には、その都度「変更届」を提出する義務があります。

【重要】新要件のクリアは「年度内の対応誓約」でスタート可能

6月施行の厳しい新要件(職場環境等要件の追加分やキャリアパス要件など)について、「4月15日までにすべてを完璧に整備・稼働させていなければならない」と焦る必要はありません。令和8年度については、計画書上で「年度内に対応を行う旨の誓約」を行えば、6月から新しい加算率での算定をスタートできる特例(猶予措置)が設けられています(※後日、実績報告書にて対応が完了したかを確認されます)。まずは4月15日の「提出期限に間に合わせること」を最優先に動いてください。

5.まとめ:4月15日の提出に向けた社内規程の再点検を

令和8年6月の報酬改定では、要件がより細分化され、規程と実態の不一致が返還リスクに直結しやすくなっています。まずは目前の4月15日の計画書提出に向けて、「最新の就業規則・賃金規程」と「実際の配分計画」にズレがないかの再点検から着手することをおすすめします。

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