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はじめに
児童発達支援管理責任者(児発管)や、サービス管理責任者(サビ管)が退職することになった際、人員基準や報酬への影響に不安を感じられる経営者様も多いかと存じます。 児発管・サビ管は事業所運営における重要な職種であるため、労務上の手続きだけでなく、指定基準、変更届、報酬算定、個別支援計画への影響を分けて整理しておくことが大切です。 この記事では、児発管・サビ管の退職が分かった際に、事業所様が確認しておきたいポイントを分かりやすく整理しました。スムーズな対応に向けた参考としてご活用ください。
1.「退職日」と「配置されなくなる日」の確認

まず確認をおすすめしたいのは、「いつから事業所に児発管・サビ管が配置されなくなるのか」という実態の日付です。 退職日が月末であっても、有給休暇の消化に入っている場合など、最終出勤日と退職日が異なるケースが多々あります。勤務形態一覧表上、いつまで配置できるのかをご留意ください。
また、後任者が決まっている場合でも、「必要な勤務形態(常勤・専従など)で配置できるか」「要件を満たしているか」の確認が必要です。研修修了証、実務経験証明書、資格証の写し(保育士証や介護福祉士登録証など)が揃っているか、早めのご確認をおすすめします。
2.変更届と提出期限の確認

児発管・サビ管の変更があった場合には、行政への変更届の提出が必要です。 例えば大阪市や吹田市では、「変更のあった日から10日以内」に変更届出書と必要書類を提出する取扱いが示されています。 また、児発管・サビ管の配置が要件となっている加算を算定している場合、加算の体制等状況一覧表(体制届)の変更も必要になることがあります(加算に関する届出は「変更月の前月15日まで」とされるケースが一般的です)。 提出期限や必要な添付書類は自治体ごとに異なるため、事業所所在地を管轄する指定権者の案内を事前に確認されることをおすすめします。
3.【重要】後任者が不在の場合の「減算」ルールの確認
後任者がすぐに配置できない場合には、人員欠如減算や個別支援計画未作成減算の対象となる可能性があります。「いつから、どのくらいの減算になるのか」を把握し、資金繰り等の計画にお役立てください。
- 人員欠如減算(児発管・サビ管の欠如): 要件を満たす者が不在となった月の「 翌々月 」から、所定単位数の「70%( 30%減算 )」での算定となります(ただし、不在となった翌月の末日までに新たな人員を配置し、基準を満たした場合は除きます)。さらに欠如が長引き、減算適用月から「 5ヶ月目 」以降になると、「50%( 50%減算 )」での算定となります
- 個別支援計画未作成減算 :個別支援計画が作成されていない(更新期限が切れている)場合や、作成に係る一連の業務(アセスメント、個別支援会議の開催、利用者・保護者への説明と同意等)が適切に行われていない状態でサービス提供を行った場合、「当該月」から該当する利用者様につき、所定単位数の「70%( 30%減算 )」での算定となります。さらに 「3ヶ月目」以降 は、「50%( 50%減算 )」での算定となります。
減算の取扱いは複雑なケースも多いため、必要に応じて指定権者にご相談されることをおすすめします。
4.急な退職の場合は「やむを得ない事由(みなし配置)」の確認を
急な事故や、法人が予見できなかった自己都合退職などの場合、一定の手続き(理由書の提出等)を経ることで、「やむを得ない事由」として「みなし配置」が認められる制度があります。
これは、実務経験要件を満たしているスタッフがいれば、研修を修了していなくても最長1年間(※)、児発管・サビ管としてみなして配置できる特例です。 (※条件を満たせば最長2年へ:欠員が出た時点で、そのスタッフがすでに「基礎研修」を修了しているなどの要件を全て満たしていれば、みなし配置期間は最長2年まで延長可能です。)
法人内の人事異動などは対象外となりますが、急な退職で要件を満たす人材が確保できない場合は、指定権者の案内に沿って特例の活用をご検討ください。
5.個別支援計画への影響確認

児発管・サビ管の退職時に、忘れずに確認しておきたいのが個別支援計画の更新状況です。
- すべての利用者について個別支援計画が作成されているか
- 計画期間が切れている(または近い)利用者はいないか
- モニタリングや担当者会議の記録は残っているか
これらが滞ってしまうと、前述の「個別支援計画未作成減算」の対象となります。退職者が在籍している間に、未作成の計画や更新期限が近い利用者を一覧にしておき、後任者や管理者様へ引き継ぐ体制を整えることをおすすめします。
退職時の確認チェックリスト
ご状況を整理しやすくなるよう、チェックリストをご用意しました。
□ 退職日・配置状況: 最終出勤日、有給消化期間、不在となる日の確定
□ 後任者の要件: 実務経験、研修修了証、資格証、勤務形態の確認
□ 届出関係: 変更届の提出期限、加算・体制届への影響の確認
□ 報酬・減算: 人員欠如減算、個別支援計画未作成減算の開始月の確認
□ 個別支援計画: 更新期限の近い計画のリストアップ、引継ぎの実施
まとめ
児発管・サビ管の退職による影響は多岐にわたりますが、退職日や要件、減算のスケジュールを一つずつ整理し、必要な手続きを進めることで、安定した事業所運営を維持することができます。 特に「変更届の提出」と「減算・個別支援計画への影響」は切り離して考え、それぞれの期限管理を行うことがポイントです。
人員基準の解釈や特例の要件は非常に複雑で、自治体によっても細かな運用が異なる場合があります。事業所様だけで判断を抱え込まず、指定権者の担当窓口へ早めにご確認いただくことをおすすめします。 本記事が、急な退職対応に直面された管理者様・経営者様の負担を少しでも軽減し、安心してご自身の事業所の支援に専念できる環境づくりの一助となれば幸いです。