LINEで相談

指定申請・開業準備

北大阪で就労継続支援B型を開所する前に確認したいこと|利用見込み・物件・指定申請

【障がい福祉運営チェック】「この運営で大丈夫だろうか」そんな時は、一緒に確認しませんか。▶ 詳しくはこちらからご相談ください。

はじめに

就労継続支援B型の開所を検討するとき、最初に物件を探し始める方も少なくありません。しかし、B型では物件の広さや家賃だけでなく、地域の利用ニーズ、生産活動、工賃の見込み、職員体制などが指定申請時に確認されます。

北大阪では、現時点でB型の新規指定を一律に停止している状況は確認できません。ただし、「総量規制がないこと」と「新規開所が適切と判断されること」は別の問題です。

公表資料から分かる地域の状況と、物件探し・指定申請で確認しておきたい点を見ていきます。

1.公表資料から見る北大阪のB型開所に関する考え方

大阪市と東大阪市では、就労継続支援B型の供給量が必要量を上回っているとして、新規指定などを対象とした総量規制が行われています。八尾市も、令和9年1月から総量規制を開始する予定を公表しています。

一方、吹田市、豊中市、茨木市、高槻市、摂津市については、令和8年9月現在、大阪市などと同様の一律の受付停止は確認できません。

地域 公表資料から確認できる状況
大阪市・東大阪市 B型の新規指定などに総量規制あり
八尾市 令和9年1月から総量規制を開始予定
北大阪5市 一律の新規指定停止は確認できず

ただし、障害者総合支援法には、障害福祉計画上の必要量に達している場合などに、指定を行わないことができる仕組みがあります。吹田市の事前協議資料にも、サービス見込量などを踏まえて指定しないことがある旨が示されています。

現在は事業所数だけでなく、その地域でどのような利用者を受け入れ、既存事業所とは異なるどのような役割を果たすのかが重視されています。

規制の有無だけで開所地域を決めるのではなく、地域ニーズと事業計画を結び付けて説明できることが重要です。

2.北大阪では今後も利用者が見込めるのか

各市の第7期障害福祉計画では、令和8年度の就労継続支援B型について、1か月当たりの利用見込量が示されています。最新の公表実績と比較すると、次のようになります。

※表は横にスクロールしてご覧いただけます。

令和8年度見込量 最新公表実績との比較
吹田市 733人 962人(令和7年度)より229人少ない・実績比76.2%
豊中市 883人 697人(令和5年度・実績見込)より186人多い・実績比126.7%
茨木市 663人 比較できる実績は公表資料では確認できず
高槻市 798人 703人(令和5年度・実績見込)より95人多い・実績比113.5%
摂津市 173人 148人(令和5年度・実績見込)より25人多い・実績比116.9%

※利用者数はいずれも1か月当たりです。
※「実績比」は、令和8年度見込量を最新公表実績で割って算出しています。
※豊中市・高槻市・摂津市の令和5年度数値は、計画策定時点の実績見込です。
※比較対象となる実績年度が異なるため、市同士の比率を単純に比較することはできません。

【この表から確認できること】

  1. 吹田市では、すでに令和8年度の見込量を大きく上回る利用実績があります。
  2. 豊中市、高槻市、摂津市では、最新の公表実績を上回る令和8年度見込量が設定されています。
  3. 茨木市は、比較できる利用実績を今回確認した公表資料から把握できません。
  4. 各市とも、計画上の見込量や市全体の利用者数だけでは、新規事業所の利用者確保までは判断できません。

吹田市の令和8年度見込量は、計画策定時に算出された数字です。その後、実際の利用者数が当初の想定を上回ったものであり、令和8年度に利用者が減少することを示すものではありません。

また、豊中市、高槻市、摂津市で比較できる最新実績は令和5年度の実績見込です。令和8年度見込量が最新実績を上回っていることは、各市が一定の利用増を想定して計画を作成したことを示しますが、新規事業所の利用者確保を保証するものではありません。

実際の開所判断では、相談支援事業所、就労支援機関、特別支援学校、自治体の障害福祉担当部署などから、次の点を確認する必要があります。

  • どのような方の受け皿が不足しているか
  • 既存事業所では対応しにくい支援があるか
  • 卒業や退院による利用相談が見込まれるか
  • 通所可能な範囲に同種の事業所がどの程度あるか
  • 相談支援事業所から紹介を受けられる可能性があるか

計画上の利用見込量は地域全体の傾向を確認する資料であり、個別の開所判断には実際のニーズ確認が必要です。

3.物件を探す前に決めておきたいこと

物件探しの前に、少なくとも次の事項を具体化しておきます。

検討項目 事前に決めておきたい内容
利用者 主な障害特性、年齢層、必要な配慮
定員 開所時の利用見込みと段階的な受け入れ
生産活動 作業内容、作業工程、必要な設備
送迎 対象地域、経路、車両台数、乗降場所
職員 必要人数、経験、支援方法
地域連携 相談支援事業所や就労支援機関との関係

軽作業、菓子製造、清掃、施設外就労、パソコン作業では、必要な面積や設備が異なります。資材や完成品の保管場所、更衣場所、休憩場所が必要になる場合もあります。

物件を先に決めると、生産活動に必要な設備を設置できない、送迎車を止められない、必要諸室を設けると作業室が狭くなるといった問題が生じます。

先に事業計画を作り、その計画から物件の条件を決めることが基本です。

4.B型事業所の物件探しで確認したいポイント

候補物件では、障害福祉サービスの設備基準だけでなく、建築、消防、災害、送迎などを一体で確認します。

確認分野 主な確認事項
設備基準 訓練・作業室、相談室、事務室、洗面所・便所
建築 用途地域、用途変更、検査済証、改修の可否
消防 消防設備、誘導灯、避難経路、消防署への届出
災害 浸水、土砂災害、利用者の避難方法
送迎 駐車場、乗降場所、前面道路、近隣への影響
保管 資材、製品、清掃用具、個人情報を含む書類

必要な部屋が存在するだけでなく、利用定員に対して十分な広さがあるか、相談内容の秘密を守れるか、利用者と職員が安全に移動できるかも確認します。

障害福祉サービス上の設備基準を満たしていても、その建物をB型事業所として使用できるとは限りません。用途変更の要否、検査済証の有無、消防設備、避難経路などについて、指定担当部署だけでなく、建築・消防の各担当部署への確認が必要です。

送迎を予定している場合は、駐車場の有無だけでなく、建物前で安全に乗り降りできるか、送迎車が周辺道路を通行できるかも確認します。

賃貸借契約や高額な改修工事を決める前に、平面図を用意して関係部署へ確認することが重要です。

5.北大阪5市の指定申請手続きの特徴

指定申請の窓口や審査の進め方は、自治体によって異なります。

※表は横にスクロールしてご覧いただけます。

自治体 主な手続き上の特徴
吹田市 指定予定月の4か月前の月末までを目安に事前協議。生産活動の収支、作業内容、予定工賃などを確認
豊中市 人員配置、管理者等の経歴、設備、事業計画、収支予算、運営規程などを提出
茨木市 4か月前を目安に事前相談。代表者、管理者、サビ管へのヒアリングを実施
高槻市 地域ニーズの確認、事業計画の提出、ヒアリング、審査、現地確認などを実施
摂津市 指定権者は大阪府。府への事前協議前に摂津市への説明とニーズ確認が必要

茨木市や高槻市では、申請書類だけでなく、開所理由、地域ニーズ、利用者確保、生産活動、工賃、資金計画などについて説明を求められます。

厚生労働省のガイドラインでも、代表者、管理者、サービス管理責任者が事業内容を理解し、自ら説明できることが重視されています。申請書を作成した担当者だけが内容を把握している状態では十分ではありません。

物件の契約日や開所希望日を先に決めるのではなく、指定権者の手続きから逆算して準備する必要があります。

6.生産活動と工賃計画も物件と同時に検討する

指定申請では、生産活動について次のような事項を確認されます。

  • 具体的な作業内容と作業工程
  • 取引先や販売先
  • 売上単価と受注量
  • 材料費などの必要経費
  • 利用者が実際に作業できる時間
  • 予定工賃とその計算根拠
  • 取引が終了した場合の代替作業

B型の工賃は、原則として生産活動による収入から生産活動に必要な経費を差し引いた金額を原資として支払わなければなりません。国からの訓練等給付費(基本報酬など)を工賃の支払いに充てる(補填する)ことは原則として認められていません。 そのため、「地域の平均工賃水準」だけを参考に目標額を形骸的に決めるのではなく、実際の作業単価、想定利用人数、1日の実働時間、見込受注量から確実に工賃原資を生み出せるかを逆算して計算する必要があります。

一つの取引先や作業に依存すると、契約終了時に生産活動が止まる可能性があります。複数の作業や取引先を検討し、開所後2~3年間の収支を見通しておくことも必要です。

まとめ

北大阪でB型の一律の新規指定停止が確認できないとしても、それだけで開所地域を決めることはできません。

開所準備では、次の順番が重要です。

  1. 地域ニーズと受け入れる利用者像を確認する
  2. 生産活動、定員、職員体制を具体化する
  3. 事業計画に合った物件を探す
  4. 建築・消防・災害・送迎条件を確認する
  5. 指定権者の手続きから逆算して準備する

物件、利用者確保、生産活動、指定申請は別々の問題ではありません。開所後に継続して運営できるかという視点で、一体的に検討することが大切です。

(参考資料)

指定申請・運営サポートをご検討中の方へ
サービス内容や進め方についてご案内いたします。

▶ 初回相談はこちら(30分・無料)

関連記事

最近の記事
  1. 北大阪で就労継続支援B型を開所する前に確認したいこと|利用見込み・物件・指定申請
  2. 障害福祉事業所をNPO法人で開設するには?|設立から指定申請までの流れを解説
  3. 障害福祉事業所の定員を増やしたいとき何を確認する?|総量規制・人員・設備・変更手続きの完全ガイド
目次