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4月15日」を鵜呑みにしない!自治体別「必着 vs 消印有効」の罠

「体制届の期限は15日」と思い込んでいませんか?実は、自治体によってその「壁」の位置は異なります。 昨年度(令和7年度)の大阪府下の例を見ても、これだけの違いがありました。
- 豊中市: 4月15日 【必着】
※15日にポストに投函してもアウトです。
- 吹田市: 4月18日 【当日消印有効】
※3日の猶予があり、当日の夜間郵便窓口でも間に合いました。
- 箕面市: 4月18日 【必着】
※吹田市と同じ日付でも「必着」。1日遅れると4月分算定不可という厳しい措置のようです。
- 大阪市: 4月30日 【当日消印有効】
※ただし、15日を過ぎると翌月の支払いに反映されません。
今年(令和8年度)の通知文を手元に用意し、日付だけでなく「必着」か「消印有効」かの2文字を今すぐ確認してください。
【金銭リスク】「1日遅れ」が招くキャッシュフロー悪化(大阪市の例)
昨年の大阪市のように「月末まで受け付ける(4/30〆切)」という自治体でも油断は禁物です。昨年のルールでは、「15日までの提出分」は通常通り5月に支払われましたが、「16日以降の提出分」は一旦古い報酬単価で支払われ、差額調整は6月以降(過誤調整)となりました。 つまり、期限(推奨日)を過ぎると、4月・5月の入金額が想定より少なくなるリスクがあります。 「まだ30日まで大丈夫」と安易に先延ばしせず、キャッシュフローを守るためにも15日を目指すべき理由はここにあります。
【就労系注意】A型スコア表の「日付ズレ」に注意(豊中市の例)
基本報酬に関わる「スコア表」等の提出期限が、体制届とは別に設定されている場合があります。
◦ 昨年の豊中市は「4月25日 必着」
◦ 昨年の茨木市は「4月30日 必着」
これらは「公表」していないと減算対象になるため、体制届本体だけでなく、スコア表の期限管理も必須です。
【緊急事態】期限に間に合わないと直感した時の「応急処置」
まずは「指定権者の手引き」の最終ページを再確認
最初に確認すべきは、提出ルールの「物理的な締め切り」です。意外と見落としがちなのが、「当日消印有効」なのか「当日必着」なのかという点です。 もし消印有効であれば、15日の夜であっても、夜間受付のある郵便局(ゆうゆう窓口)へ駆け込めば間に合う可能性があります。逆に必着であれば、前日までに発送するか、当日中に窓口へ直接持ち込む必要があります。また、最近ではオンライン申請を導入している自治体もありますが、システムが混雑して動かなくなることもあるため、「何時までに入力完了すべきか」を今一度確認してください。
【応急処置】間に合わない時の「戦略的」窓口相談
多くの管理者様が陥りやすいのが、「完璧な書類が出来ていなければ出してはいけない」という思い込みです。しかし、実務上、最も避けるべきは「未提出」のまま15日を過ぎることです。 もちろん、計算の根拠となる数字をデタラメに書くことは許されませんが、例えば「一部の添付書類(証明書など)が週明けにしか届かない」といった事情であれば、「まずは本紙を期限内に提出し、不足分を後日速やかに補正する」という対応が認められるケースがあります。
行政側の目的は、あくまで「4月からの体制が適切かを確認すること」です。まずは「提出の意思」を期限内に示すことが、4月分の報酬を守るための最低条件となります。迷ったら管轄の自治体の担当窓口に状況を正確に伝え、受理の可否を確認してみましょう。
差し戻しを恐れて提出を遅らせるのが「最大の損失」になる理由
「不備があって差し戻されるのが怖い」という心理も働きますが、期限を過ぎてから出した書類は、原則として「翌月(5月)分からの算定」に回されてしまいます。 一方で、期限内に出して後から補正を求められた場合は、受理日はあくまで「提出した日」として扱われます。この差は経営において非常に大きいです。「正解を出すこと」にこだわりすぎて「時間を失う」ことのないよう、優先順位を「期限の死守」に切り替えてください。
【必須チェック】令和8年の重要確認項目

期限が迫ると、電卓の数字を追うだけで精一杯になり、全体像が見えなくなりがちです。しかし、体制届の根拠となる「前年度実績」の計算には、いくつか「間違いやすい定番のポイント」があります。最後にこれらを見直すだけで、大きなミスを未然に防ぐことができます。
計算ミスによる区分ダウンを防ぐ「一点突破」チェック
平均利用者数の計算で、「0.1人」の端数処理(切り上げ・切り捨て)を間違えていませんか?また、昨年の「欠席時対応加算」の算定日数を分子に入れ忘れていませんか? この「数え間違い」だけで基本報酬区分が1つ下がり、年間の売上が数十万変わるケースがあります。手引きの計算例と、自社の計算式を今一度見返すことをお勧めします。
加算の「継続」か「変更」か、判断に迷う際の考え方
「うちは昨年と何も変わっていないから、届出は不要だ」と思い込むのも危険です。たとえ事業所の体制が変わっていなくても、「前年度の平均利用者数」が変われば、自動的に基本報酬の区分(1型・2型など)が変わる可能性があるからです。 特に、前年度に利用者数が大きく増えた、あるいは逆に減ってしまった事業所様は、現在の区分がそのまま維持できるのかを必ず実績値に基づいて判断してください。もし区分が下がるのに届出を出さずに高い報酬を受け取り続けてしまうと、後の運営指導で「過誤(返還請求)」の対象となり、多額の返還を求められるリスクがあります。
見落としがちな「添付書類」のセット内容
「届出書(別紙)」だけを作成して満足してはいけません。体制届には必ず、その根拠となる「勤務形態一覧表」や「従業者の資格証の写し」などの添付書類が必要です。 4月の届出でよくある漏れは、4月1日時点での新しい配置基準を満たしているかを示す書類です。特に新しく採用したスタッフがいる場合、その方の実務経験証明書や資格証が手元にあるか、今一度確認してください。本体の書類は完璧でも、これら1枚の添付漏れで「受理不可」となるのは勿体ないことです。
これらのチェックは、可能であれば作成者以外の人(他のスタッフなど)に、客観的な目で見てもらうことをお勧めします。
【全事業所様共通】処遇改善加算:「経過措置」は完全に終了しました
令和7年度末(2026年3月末)をもって、旧制度からの激変緩和措置(旧区分や区分Ⅴなど)は全て終了しました。
令和8年4月からは、「新加算(Ⅰ~Ⅳ)」の算定要件を100%満たしている事業所しか加算を受け取れません。
「昨年通りで大丈夫」と更新手続きをしていると、以下の「新要件」の不備により、4月分以降の加算が全額返還(不正受給扱い)となる恐れがあります。早急に確認することをお勧めします。
- 「月額賃金改善要件」の配分ミス
新加算の要件では、加算額(新加算Ⅳ相当額)の「2分の1以上」を、一時金(ボーナス)ではなく「毎月の基本給または決まって支払われる手当」へ配分する必要があります。
※旧ベースアップ等支援加算を算定していなかった事業所などで、この「月額配分ルール」への切り替えが漏れているケースが散見されます。
- 「職場環境等要件」の公表漏れ
令和7年度以降、職場環境等要件の実施内容は、事業所内掲示だけでなく「障害福祉サービス等情報公表システム」などのインターネット上で、具体的な取り組み内容を公表することが必須要件となっています。紙で貼り出しているからOK」という旧ルールの認識のままだと、要件不備とみなされます。
対策: 提出済みの「処遇改善計画書」を再確認し、上記2点が確実にクリアできているか、賃金台帳および公表画面と照らし合わせてください。
【就労継続支援A型の事業所様へ】
A型事業所は、「処遇改善加算の職場環境等要件」のネット公表に加え、「経営改善計画(スコア表)」のネット公表(4月中)も必須です(豊中市や茨木市など)。どちらか一方でも忘れると減算や返還のリスクがありますので、ダブルチェックをお願いします。
もし期限を過ぎてしまったら?その後のリカバリー策

期限というものは、どれだけ気を付けていても、予期せぬトラブルや体調不良などでどうしても守れない時があるものです。
ここでは、もし15日を過ぎてしまった場合に、被害を最小限に抑え、信頼を取り戻すためのリカバリー策を考えてみましょう。
4月分報酬への影響を正しく把握する
残念ながら、4月15日の期限を1日でも過ぎて提出した場合、原則としてその届出の内容は「5月分」からの適用となります。 例えば、4月から基本報酬の区分が上がる(単価が高くなる)予定だった場合、4月分は「旧区分のまま」の低い単価で請求することになります。逆に、区分が下がるはずだったのに間に合わなかった場合は、4月分を一旦旧区分で請求し、後日「過誤(取り下げと再請求)」という手続きを行って差額を返金することになります。 まずは、4月分の売上が当初の予定とどう変わるのか」を計算し、法人の資金繰りへの影響を早めに把握しましょう。
運営指導で「誠実な対応」とみなされるために
期限を過ぎたという事実は変えられませんが、その後の対応次第で、行政からの信頼を守ることは可能です。 もし「報酬が下がる届出」が遅れてしまった場合は、そのまま放置せず、速やかに窓口へ事情を説明しに行ってください。「ミスに気づいた時点で自ら報告し、修正の手続きをとった」という記録が残っていれば、将来の運営指導において「悪質な隠蔽」とみなされるリスクを避けることができます。
失敗した時こそ、その後のスピードと誠実さが問われます。今回の遅れを「なぜ起きたのか」という業務フローの見直しに繋げることができれば、それは単なるミスではなく、より強い組織を作るための貴重なステップになります。
事務作業を「属人化」させない仕組みづくり
多くの事業所では、体制届の作成が「サービス管理責任者(サビ管)一人」に重くのしかかっています。しかし、一人の担当者にすべての知識と作業が集中する「属人化」した状態は非常に危険です。その方が体調を崩したり、離職したりした瞬間に、事業所の報酬が守れなくなるからです。 まずは、日々の実績記録を月末にまとめて集計するのではなく、週単位でダブルチェックする体制を整えたり、事務スタッフと連携して「数字の入力」と「内容の確認」を分担したりするなど、作業を切り分けることから始めることをお勧めします。
情報のアンテナをどこに張っておくべきか
障害福祉のルールは頻繁に変わります。すべてを完璧に把握しようとすると、それだけで時間が足りなくなります。大切なのは、情報の「一次ソース(公式な情報源)」を効率的にキャッチする習慣です。 自治体からのメールマガジンだけでなく、厚労省が公開する「Q&A」や、同じ地域の事業者ネットワークなど、信頼できる情報源をいくつか持っておきましょう。「何がわからないかがわかる」状態を作っておくだけでも、いざという時の動き出しが劇的に早くなります。