障害福祉サービス施設の事業所に支給される給付金には利用者数、職員の配置割合、平均月額工賃などから割り出される「基本報酬」とサービス提供に応じて基本報酬に上乗せされる「加算」があります。加算には「初期加算」「就労移行支援体制加算」「福祉専門職員配置等加算」「食事提供加算」「処遇改善加算」「送迎加算」などがあります。今回はその中でも最も一般的な「送迎加算」について説明します。
「送迎加算」が適用されるサービスについて
送迎加算は利用者の居宅、施設間の送迎を行った際に適用される加算です。そのため、適用されるサービスも限定されています。具体的には下のものがあげられます。
(送迎加算が適用されるサービス)
・就労継続支援A型 ・就労継続支援B型 ・就労移行支援 ・生活介護
・重度障害者等包括支援 ・短期入所 ・児童発達支援 ・放課後等デイサービス等
送迎加算はサービスによって、また指定権者によって内容が変わってきます。今回は、就労継続支援B型の典型的なパターンを説明します。
「送迎加算」の適用要件(就労継続支援B型の場合)
送迎加算には
送迎加算(Ⅰ)…21単位×該当する利用者の数×回数(片道につき1回)の加算
送迎加算(Ⅱ)…10単位×該当する利用者の数×回数(片道につき1回)の加算
の2パターンがあります。
その要件は以下の通りです。
①該当月の1回あたりの平均送迎者10名以上
(但し定員20名以下の事業所は、該当月の1回あたりの平均送迎者が定員の半分以上)
②該当月に週3回以上の送迎を実施
①と②の両方の条件を満たした場合は送迎加算(Ⅰ)、どちらか片方だけを満たした場合は送迎加算(Ⅱ)が適用されます。
ただし、送迎加算を適用されるには事前に指定権者に届け出る必要があります。また、送迎加算(Ⅰ)から(Ⅱ)もしくはその逆の変更がある場合も、変更届の提出が必要となります。