サービス管理責任者および児童発達支援管理責任者は、障がい福祉サービスや児童福祉サービスの質を支える重要な役割を担っています。これらの職に就くためには、一定の実務経験と所定の研修を修了する必要があります。今回はサービス管理責任者および児童発達支援管理責任者への道を大阪府が定める要件をもとに説明します。
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者とは?
サービス管理責任者は、障がい者向けの福祉サービス事業所において、個別支援計画の作成やサービス提供の管理・調整を行う責任者です。一方、児童発達支援管理責任者は、障がい児通所支援事業所などで、子どもたちの発達支援計画を策定し、サービスの質の確保と向上を図る役割を担います。
資格取得のためのステップ
これらの職に就くためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
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実務経験
指定された業務において、一定期間の実務経験が求められます。具体的な年数は、従事した業務の内容や保有資格によって異なります。
サービス管理責任者の場合
- 相談支援業務:基礎研修受講には3年以上、配置には5年以上の実務経験が必要です。
- 直接支援業務(社会福祉主事任用資格等を有する者):基礎研修受講には3年以上、配置には5年以上の実務経験が必要です。
- 直接支援業務(社会福祉主事任用資格等を有しない者):基礎研修受講には6年以上、配置には8年以上の実務経験が必要です。
- 国家資格等による業務:基礎研修受講には1年以上、配置には3年以上の経験が必要です。
児童発達支援管理責任者の場合
- 相談支援業務:基礎研修受講には3年以上、配置には5年以上の実務経験が必要です。
- 直接支援業務(社会福祉主事任用資格等を有する者):基礎研修受講には3年以上、配置には5年以上の実務経験が必要です。
- 直接支援業務(社会福祉主事任用資格等を有しない者):基礎研修受講には6年以上、配置には8年以上の実務経験が必要です。
- 国家資格等による業務:基礎研修受講には1年以上、配置には3年以上の実務経験が必要です。
なお、実務経験の詳細や該当する業務内容については、各指定担当部局に確認することが推奨されています。
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研修の受講
所定の研修を修了することが必要です。研修は以下の2段階に分かれています。
基礎研修
基礎研修は、サービス管理責任者等基礎研修と相談支援従事者初任者研修(2日課程)で構成されています。受講には、前述の実務経験が必要です。研修は大阪府知事が指定する研修事業者によって実施されます。
実践研修
基礎研修修了後、さらに2年間の実務経験を積んだ後に、実践研修を受講する必要があります。この研修では、より実践的な知識や技術を習得します。
大阪府における研修実施機関
大阪府では、以下の研修事業者が研修を実施しています。
- 社会福祉法人 大阪府社会福祉事業団
- 社会福祉法人 大阪府障害者福祉事業団
- 一般財団法人 大阪府地域福祉推進財団
- 一般社団法人 全国介護事業者連盟
各研修の募集期間や実施日程は、事業者ごとに異なります。詳細は各事業者のホームページで確認することができます。
注意点とアドバイス
- 早めの準備:研修の募集期間は限られており、定員も設定されています。実務経験が要件を満たした時点で、速やかに研修の情報を収集し、申し込みを行うことが重要です。
- 実務経験の証明:実務経験を証明するためには、勤務していた法人の代表者から所定の実務経験証明書への押印が必要となります。事前に準備を進めておきましょう。
- 最新情報の確認:制度や研修の内容は変更される可能性があります。大阪府の公式ホームページや各研修事業者のサイトを定期的に確認し、最新の情報を把握するようにしましょう。