福祉・介護職員等処遇改善加算における月額金銀改善要求とは?

令和6年から始まりました「福祉・介護職員等処遇改善加算」はその算定要件に「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境等要件」の3つが定められています。「福祉・介護職員等処遇改善加算」の完全施行は令和7年度以降となりますが、令和6年度末までの経過措置期間を踏まえながら計画的に準備を行う必要があります。今回はこの「福祉・介護職員等処遇改善加算」の算定要件の1つである「月額賃金改善要件」を説明します。

月額賃金改善要件Ⅰとは?

月額賃金改善要件Ⅰは福祉・介護職員等処遇改善加算のⅠ~Ⅳのどの加算を取得する場合でも必要となる要件です。但し、月額賃金改善要求Ⅰは令和7年からの適用であり、令和6年度は経過措置期間となります。

内容としては福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅳ(加算率5.5%)の加算相当額の1/2(加算率2.7%程度)以上を基本給等で配分するよう求められています。

例えば福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅳの加算相当額が1,000万円の場合、500万円以上を基本給等の改善に充てることを求められます。この場合福祉・介護職員処遇改善加算Ⅰ(加算率8.1%)、Ⅱ(加算率8.0%)、Ⅲ(加算率6.7%)のいずれかを取得している場合でも福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅳの加算率5.5%の1/2以上を基本給等の改善に充てれば大丈夫です。

また、現状として加算による賃金改善額の多くを賞与などの一時金で給付している場合、一時金の一部を基本給等に振り替える必要があります。その場合、賃金総額は変更なしでも問題はありません。

月額賃金改善要件Ⅱとは?

こちらは月齢賃金改善要件Ⅰとは違い令和6年度のみに限定された要件です。

また、令和6年5月まで適用されていたベースアップ等支援加算を取得済みの事業所はこの要件を考慮する必要はありません。

内容としては福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅰ~Ⅳのいずれかを取得し、その内の旧ベースアップ等支援加算に相当する額の2/3以上を基本給等で配分するよう求められています。

例えば福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅳを取得し、その内、旧ベースアップ等支援加算相当分が300万円であった場合、200万円以上を基本給等の改善に充てることを求められます。