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はじめに
障害福祉サービスや児童福祉施設における「福祉専門職員配置等加算」は、算定要件が細かく、職員の入れ替わりによって意図せず要件から外れてしまうリスクがある加算です。 本記事では、お忙しい経営者・管理者様に向けて、厚生労働省の通知や届出書に基づいた「正しい人数の数え方」と「揃えておくべき必須書類」の要点を短時間で確認できるよう整理しました。
1.算定対象となる「資格取得日」の注意点

社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師の有資格者を配置して加算(Ⅰ)や(Ⅱ)を算定する場合、「いつから有資格者としてカウントできるか」に注意が必要です(※就労移行支援事業所のみ、作業療法士も有資格者に含まれます)。
- カウント開始日: 試験の合格日や卒業日ではなく、「登録証に記載された登録年月日」以降です。
- 月途中で登録された場合:その日までは「無資格者」扱いとなるため、当月の算定可否に影響がないか確認が必要です。
※児童発達支援・放課後等デイサービス経営者様への重要注意点
加算(Ⅰ)や(Ⅱ)の対象となる有資格者(社会福祉士等)は、「児童指導員」として配置されている職員のみが対象(分子)となります。事業所内で「保育士」として配置している場合はカウントできないためご注意ください(※加算Ⅲの場合は児童指導員・保育士ともに算定対象です)。
2.加算要件の計算式と必要な割合

最も誤解が生じやすいのが、要件を満たしているかを確認するための計算式(分母と分子の考え方)です。加算の区分によって、計算のベースと必要な割合が異なります。
■ 加算(Ⅰ)・(Ⅱ)および 加算(Ⅲの勤続3年要件)の場合
常勤の勤務時間に達していない職員を含めず、 「常勤の直接処遇職員の実際の人数」を分母 とします。
※注意:ここでの「常勤」とは、正規・非正規雇用に関わらず、事業所で定められた常勤の勤務時間数に達している従業者のことを指します。
<各区分の必要割合>
- 加算(Ⅰ): 常勤職員のうち、社会福祉士等の有資格者の割合が 35%以上 【計算式】 (常勤の有資格者等の人数) ÷ (常勤の直接処遇職員の総数)
- 加算(Ⅱ): 常勤職員のうち、社会福祉士等の有資格者の割合が 25%以上 【計算式】 (常勤の有資格者等の人数) ÷ (常勤の直接処遇職員の総数)
- 加算(Ⅲ): 常勤職員のうち、勤続3年以上の常勤職員の割合が 30%以上(※特定の資格は不要です)
【計算式】 (勤続3年以上の常勤職員の人数) ÷ (常勤の直接処遇職員の総数)
■ 加算(Ⅲの常勤75%要件)の場合
この場合のみ、分母を 常勤換算数 で計算します(※特定の資格は不要です)。
<必要割合>
- 加算(Ⅲ): 直接処遇職員の総常勤換算数のうち、常勤職員の割合が 75%以上
【計算式】 (常勤の直接処遇職員の人数) ÷ (直接処遇職員の総常勤換算数)
※兼務職員がいる場合は、1週間の勤務時間の2分の1を超えて従事しているか等の条件があるため、各自治体の指定基準に沿った確認が必要です。
3.「実務経験」の数え方(加算Ⅲ等の場合)
資格を持たない職員でも、実務経験年数で要件を満たす場合があります。ここでの実務経験は以下の基準でカウントします。
- 対象となる職種: 「直接処遇職員」としての経験に限られます。事務職や清掃員等の期間は含まれません。
- 資格取得「前」の経験: 加算(Ⅲ)の実務経験年数を計算する際は、資格取得「前」に直接処遇職員として働いていた期間も通算することが可能です。
4.備えておくべき「必須書類4選」
運営指導(監査)において、加算の要件を満たしていることを客観的に証明するため、以下の4つの書類を対象職員全員分、常に整備しておく必要があります。
- 資格登録証の写し(※合格通知書は不可。登録年月日が確認できるもの)
- 実務経験証明書(※前職の期間を含める場合、前法人の代表者印があるもの)
- 勤務実績表(シフト表)と出勤簿(タイムカード等)
- 雇用契約書・労働条件通知書(※「常勤」の要件や「職種」が確認できるもの)
まとめ:毎月のセルフチェック体制を

福祉専門職員配置等加算は、前月の実績に基づいて当月の算定判定を行います。職員の退職や採用があった際は、すぐに「常勤の直接処遇職員数」と「有資格者等の数」を再計算し、規定の割合を下回っていないかを確認する体制づくりが大切です。 万が一要件を下回った場合は、速やかに加算区分の変更(または取り下げ)の手続きを行うことで、適正な事業運営を維持することができます。