LINEで相談

障害児通所支援

【1日150単位】専門的支援実施加算の算定ルール徹底解説!5年経験保育士も対象になる条件とは?

(初回無料)障がい(障害)福祉施設の指定申請・運営は、 当事務所のサポートをご活用ください。

「令和6年度の報酬改定で新設された『専門的支援実施加算』、正直どう対応すればいいのか頭を悩ませていませんか?」

「150単位という高い評価は魅力的だけど、計画書の書き方がわからない」 「専門職による『30分以上の支援』を、どうやって日々のオペレーションに組み込めばいいの?」 「運営指導で返還請求をされないために、最低限必要な書類を知っておきたい」

管理者や児童発達支援管理責任者の皆様から、このような切実な声をよく耳にします。特にこの加算は、単にスタッフを配置するだけでなく、具体的な「計画・実施・記録」というプロセスが厳格に求められるため、実務上のハードルが高いと感じるのも無理はありません。

しかし、ご安心ください。ルールを正しく理解し、効率的な仕組みを作れば、この加算は事業所の専門性を証明し、経営を安定させる強力な味方になります。

この記事では、最新の報酬告示や留意事項通知に基づき、以下の内容をわかりやすく解説します。

  • 150単位を確実に算定するための「4つの実務ステップ」
  • 運営指導で指摘されない「専門的支援実施計画書」の作成ポイント
  • 5年経験の保育士・児童指導員でも算定できる条件と注意点
  • そのまま使える「算定要件チェックリスト」

この記事を読み終える頃には、迷いなく算定準備を進められる自信がついているはずです。子どもたちへの質の高い療育と、健全な事業所運営を両立させるための第一歩を、ここから踏み出しましょう。

専門的支援実施加算とは?算定の全体像を把握する

令和6年度の報酬改定において、障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)の評価体系が見直されました。その中でも、特に現場の「専門性」を直接的に評価するのが「専門的支援実施加算」です。

この加算を一言でいうと、「リハビリの専門職や経験豊富なスタッフが、個別の計画に基づいて質の高い支援を行った日」に算定できる報酬です。

1日150単位、月2〜6回を上限とする評価

この加算の大きな特徴は、毎日一律で加算されるものではなく、「実際に支援を行った日」に対して1日につき150単位が上乗せされる点です。ただし、算定できる回数にはお子さまの利用日数に応じた上限があります。

  • 月の利用日数が6日未満(放課後等デイサービスのみ): 月に2回まで算定可能
  • 月の利用日数が12日未満: 月に4回まで算定可能
  • 月の利用日数が12日以上: 月に6回まで算定可能

このように、お子さま一人ひとりの利用頻度に合わせて、計画的・集中的に支援を行うことが想定されています。

対象となる「専門職」の定義

「専門的」という言葉通り、この加算を算定できるのは、国が定めた特定の資格や経験を持つスタッフです。具体的には以下の通りです。

  • リハビリ職: 理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)
  • 心理・視覚職: 心理担当職員、視覚障害児支援担当職員
  • ベテランスタッフ: 5年以上かつ900日以上(1年間に180日以上の従事が必要)の経験がある保育士または児童指導員

特に、資格だけでなく「5年以上かつ900日以上(1年間に180日以上の従事が必要)の実務経験」を持つ保育士や児童指導員も対象に含まれている点は、多くの事業所にとって算定を検討しやすいポイントといえるでしょう。

「専門的支援体制加算」との決定的な違い

よく混同されやすいのが「専門的支援体制加算」です。あちらは「専門職を配置していること(体制)」を評価する加算で、毎日算定されます。 一方、今回の「専門的支援実施加算」は、配置された専門職が「具体的な計画を立て、実際に30分以上の専門的な個別支援(または5名程度の小集団支援)を行ったこと」を評価するものです。

つまり、ただスタッフがいるだけでは不十分で、「計画・実施・記録」という一連のプロセスが伴って初めて算定できる、より踏み込んだ支援への評価となっています。

【実務重視】算定までの4つのステップ

専門的支援実施加算を算定するためには、単に専門職が支援を行うだけでは不十分です。資料に示されている「計画の作成」から「記録」までの一連の流れを正しく踏む必要があります。

ステップ1:専門職によるアセスメント(現状把握)の実施

まずは、理学療法士などの専門職が、対象となるお子さまの状態を詳しく確認します。 具体的には、本人の日常生活の様子や、現在どのような課題を抱えているのかを専門的な視点で分析(アセスメント)します。このとき、「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のうち、どの部分に重点を置いて支援を行うかを明確にすることが重要です。

ステップ2:「専門的支援実施計画」の作成

アセスメント結果に基づき、具体的な「専門的支援実施計画」を作成します。 この計画書は、すでに作成している「通所支援計画(個別支援計画)」の内容を踏まえて作成します。あくまで個別支援計画の中に組み込むのではなく、別紙として作成・保存し、保護者からあらかじめ同意を得ておく必要があります

  • ポイント: 専門的支援実施計画は「特定の領域または複数の領域に重点を置いた支援を行うための計画」とされています。そのため、「なぜこの専門職が、この領域の支援を行う必要があるのか」が第三者にも伝わる内容にしましょう。

ステップ3:本人・保護者への説明と同意

計画書ができあがったら、必ずお子さま本人や保護者の方に内容を説明し、同意を得る必要があります。 「どのような目的で、どんな専門的支援を、月に何回程度行うのか」を丁寧に共有しましょう。このプロセスは加算算定の必須条件となっており、同意を得た証拠(署名など)を残しておくことが運営指導対策としても不可欠です。

ステップ4:支援の実施と「支援記録」への残し方

計画に基づき、いよいよ専門的支援を実施します。ここでの注意点は、1回の支援時間を「少なくとも30分以上」確保することです。 また、支援が終わるたびに当該支援を行った日時及び支援内容の要点を記載した「支援記録(ケース記録)」を作成します。単に「リハビリを実施した」と書くのではなく、計画に沿ったどのような働きかけを行い、お子さまにどのような変化があったかを簡潔に記録に残しましょう。

成果を出す「専門的支援実施計画」作成のポイント

専門的支援実施加算を算定する上で、最も重要な書類が「専門的支援実施計画」です。これは、普段作成している「個別支援計画(通所支援計画)」とは別に、専門的な視点に特化した支援の道標となるものです。

通所支援計画(個別支援計画)との整合性をどう持たせるか

この計画は、まず大元である「個別支援計画」の内容をしっかりと踏まえている必要があります。 個別支援計画で掲げている「将来こうなってほしい」という大きな目標に対し、その目標を達成するために「理学療法士などの専門職が具体的にどう関わるのか」を切り出して記載するイメージです。 例えば、個別支援計画で「お友達と楽しく遊ぶ」という目標があれば、専門的支援実施計画では「言語聴覚士が、自分の気持ちを伝えるための語彙を増やす練習を月〇回行う」といった、より具体的な役割分担を明確にします。

「5領域」のうち、どの領域に重点を置くべきか?

令和6年度改定の大きなポイントとして、「5領域すべてとの関連性」を個別支援計画に記載することが義務化されています。専門的支援実施計画作成時においても「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のうち、特定の領域または複数の領域に重点を置くことが求められています。単に「運動領域」とするだけでなく、ベースとなる個別支援計画で示された5領域の目標とどう連動しているかを書くことが、質の高い計画とみなされるポイントです。

  • 運動・感覚: 理学療法士等が、体の使い方の不器用さに対してアプローチする。
  • 言語・コミュニケーション: 言語聴覚士等が、発音や言葉の理解を促す支援を行う。
  • 認知・行動: 心理担当職員等が、こだわりや感情のコントロールをサポートする。 このように、お子さまの課題に合わせて「どの専門家の、どの視点が必要か」を5領域に当てはめて整理すると、計画の説得力が格段に高まります。

計画の見直しタイミングと実施状況の把握

計画は一度作って終わりではありません。実施状況の把握を行うとともに、加算対象児の生活全般の質の向上をさせるための課題を把握し、必要に応じて見直しを行うことを求められます。 定期的にお子さまの変化を専門職が確認し、もし目標が高すぎたり、逆にスムーズに達成できていたりする場合は、柔軟に内容を更新していきましょう。この「PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)」を回している証拠こそが、運営指導でも評価される「質の高い支援」の証となります。

間違えやすい算定ルールの注意点

専門的支援実施加算は、1日につき150単位という高い評価を得られる分、算定ルールが細かく決まっています。せっかく質の高い支援を行っても、ルールから外れると算定が認められないため、以下のポイントを必ず押さえておきましょう。

利用日数による算定上限の違い

この加算は、お子さまが月に何日施設を利用したかによって、算定できる回数の上限が変わります。

  • 月の利用日数が6日未満の場合(放課後等デイサービスのみ): 月に2回まで
  • 月の利用日数が12日未満の場合: 月に4回まで
  • 月の利用日数が12日以上の場合: 月に6回まで 「一律で月6回まで」と思い込まず、お子さまごとの契約日数や実際の利用日数を確認しながら回数を管理する必要があります。

支援時間は「30分以上」の確保が必要

専門職による支援時間は、1回につき少なくとも30分以上確保しなければなりません。これは、お子さまに対してしっかりと向き合い、専門的なプログラムを提供するための最低ラインとして定められています。なお、支援の全てを30分間ずっと個別で行う必要はなく、支援全体の中に専門的な関わりが30分以上含まれていれば、当日の支援時間全体が短くても問題ありません。また、「30分以上」の例外として利用者様の都合(体調不良や急な帰宅など)により結果的に30分未満となった場合は、計画に基づいた支援が提供される体制であれば算定可能とされる場合があります。事業所に起因しない事情(道路渋滞や学校の授業延長など)も同様です。ただし、事業所側の都合で短縮した場合は算定不可です。

集団指導(5名程度)で実施する場合の配置基準

「専門的支援=マンツーマン」というイメージがありますが、5名程度の小集団での実施も認められています。 この場合、集団を指導する専門職とは別に、施設全体の配置基準を満たすためのスタッフを別途配置しておく必要はありません。つまり、専門職が5名程度の子どもたちをまとめて指導する形でも、この加算を算定することが可能です。ただし、集団プログラムであっても、一人ひとりの計画に基づいた専門的な介入が行われ、その要点が個別に記録されている必要があります。

他の加算との併用・運営基準に関する注意点

専門的支援実施加算を算定する上で、特に注意したいのが「事業所の運営状態」と「スタッフの兼任ルール」です。

  1. 運営に不備(減算)がある日は算定できない

この加算は、事業所が適切に運営されていることが前提となります。以下の「減算」が適用されている期間は、専門的支援実施加算を算定することができません。

  • 個別支援計画が未作成の場合(計画未作成減算): 支援の土台となる計画がない状態では、専門的な支援も認められません。
  • スタッフが不足している場合(人員欠如減算): 児発管や保育士・児童指導員が基準通りに配置されていない状況では、上乗せの加算は受けられません。

「まずは基本のルールをしっかり守っていること」が、この加算を得るための大前提となります。

  1. スタッフの兼任はOK!ただし「中身」が重要

「専門的なスタッフを、この加算のためだけに別途雇わなければならないの?」と不安に思う必要はありません。

  • 兼任は可能: 「児童指導員等加配加算」や「専門的支援体制加算」のために配置されているスタッフが、この専門的支援を兼務しても大丈夫です。
  • 算定のポイント: 大切なのは、そのスタッフが単に「その場に配置されている」だけでなく、「個別の計画に基づき、30分以上の直接的な支援を行った」という実績です。

「配置されていること(体制)」への評価と、「実際に支援を行ったこと(実施)」への評価を、正しくセットで活用しましょう。

運営指導対策!備えておくべき書類一覧

この加算を算定する上で、最も重要なのは「支援の証拠(エビデンス)」が形として残っていることです。口頭での説明だけでは認められないため、以下の書類をセットで管理しておきましょう。

  1. 専門職の資格と経験を証明する書類

まずは、支援を行ったスタッフが算定基準を満たしていることを証明する必要があります。

  • 資格証の写し: 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士などの免許証のコピーです。
  • 実務経験証明書: 保育士や児童指導員として算定する場合、「5年以上の実務経験」があることを証明する書類が必要です。前職の分も含め、期間に不足がないか確認しておきましょう。
  1. 「専門的支援実施計画」と保護者の同意印

今回の加算の目玉となる書類です。

  • 計画書本体: お子さまごとのアセスメントに基づき、5領域のどこに重点を置くかを記した計画書です。
  • 説明と同意の記録: 計画の内容を保護者に説明し、同意をもらった日付と署名(または捺印)が必要です。これがないと、どんなに素晴らしい支援をしていても算定ミスとみなされる恐れがあります。
  1. 当日の「支援記録(ケース記録)」

実際に支援を行った証拠となる記録です。

  • 実施日時と内容の要点: 「いつ、誰が、どのような専門的支援を行ったか」を記載します。
  • 30分以上の確保: 資料には「少なくとも30分以上確保すること」と明記されています。記録から、十分な支援時間が確保されていたことが読み取れるようにしておきましょう。
  1. 勤務実態がわかる書類

専門職がその日に本当に出勤していたか、他の業務(送迎など)で支援時間が削られていないかを確認されます。

  • 出勤簿・タイムカード: 勤務の実績を証明します。
  • スタッフのシフト表: 専門的支援を行うスタッフが、適切な人員配置の中に組み込まれているかを確認するために必要です。

これらの書類が「お子さま一人ひとり」のファイルに、日付順に整理されている状態が理想的です。日々の業務は大変ですが、この準備が事業所を守る大きな盾となります。

よくある質問(Q&A)

Q:「外部の専門職をスポットで呼んでも算定できますか?」

A:直接雇用(常勤・非常勤問わず)または、個人としての業務委託などで「事業所のスタッフ」として適切に配置されている必要があります。 その専門職が事業所と適切な契約(直接雇用や業務委託など)を結んでおり、かつ算定に必要な「専門的支援実施計画」を事前に作成していることが条件です。他の法人から専門職の派遣を受けて支援を行った場合には算定できません。また、単にアドバイスをもらうだけでなく、その専門職が直接お子さまに対して30分以上の支援を行う必要があります。

Q:「送迎時間は支援時間に含まれますか?」

A:原則として含まれません。 専門的支援実施加算を算定するための「30分以上の支援」は、あくまでお子さまに対して直接行う専門的な療育の時間を指します。送迎中に行われる会話などは、この加算で求められる「計画に基づいた専門的な支援」とはみなされないため注意しましょう。

Q:「保育士の『5年以上の経験』はどう数えればいいですか?」

A:児童福祉事業に従事した期間を合算して計算します。 保育士(または児童指導員)としての任用資格を満たした状態から数えて通算5年以上であれば対象となります。5年の数え方は、資格証に記載された登録日(取得日)以降が対象です。また、途中に育休や離職によるブランク期間があっても、過去の経験を合計して5年以上になれば問題ありません。ただし、複数の職場を合算する場合は、それぞれの施設から実務経験証明書をもらっておく準備が必要です。(自治体によって差がある場合がございますので運用の際は必ず所在地の指定権者に確認してください。)

Q:「1日に複数の専門職が入れ替わりで支援した場合、2回分算定できますか?」

A:いいえ、算定は1日につき1回(150単位)のみです。 たとえ理学療法士と言語聴覚士がそれぞれ30分ずつ、計1時間の支援を行ったとしても、その日の加算は1回分となります。ただし、複数の専門職が連携して計画を立てることは、支援の質を高める上で非常に好ましいこととされています。

Q:「集団支援の中で、5人の子ども全員分を算定してもいいですか?」

A:はい、要件を満たしていれば可能です。 資料には「5名程度の小集団による実施も可能」とされています。ただし、その5名全員に対して、個別の「専門的支援実施計画」が作成されており、かつそれぞれの計画に沿った支援がその集団プログラムの中で適切に行われていることが前提となります。

まとめ:質の高い療育と安定した事業運営の両立へ

令和6年度の報酬改定で整理された「専門的支援実施加算」は、事業所様にとって単なる収益アップの手段ではありません。それは、子どもたち一人ひとりに向き合い、その成長を専門的な視点で支える「質の高い療育」を継続していくための大切な基盤となります。

「加算」がもたらす事業所への好循環

専門的支援実施加算を算定するためには、リハビリ職やベテランスタッフによる計画作成、保護者への丁寧な説明、そして30分以上の濃密な直接支援が必要です。これらのプロセスを丁寧に行うことは、結果として以下のような好循環を生み出します。

  • 療育の質が目に見える化される: 「専門的支援実施計画」を作成し、定期的に評価・見直しを行うことで、スタッフ間でお子さまの課題や目標がより鮮明に共有されます。
  • 保護者からの信頼が深まる: 専門職が作成した根拠のある計画書に基づき、定期的(月4〜6回)な専門支援の内容を報告することで、保護者の方の安心感と満足度が向上します。
  • スタッフの意欲向上につながる: 5年以上の経験を持つ保育士や児童指導員が、自らの専門性を「加算」という形で事業所に貢献できていると実感できることは、やりがいや定着率の向上に寄与します。

持続可能な運営のために

福祉の現場では「良い療育をしたいが、経営が苦しい」というジレンマに陥ることが少なくありません。しかし、この加算(1日150単位)を正しく算定していくことは、専門職を継続して雇用し、より良い備品や研修に投資するための原動力となります。

もちろん、算定にあたっては「30分以上の支援時間の確保」や「上限回数の管理」など、細かなルールを遵守しなければなりません。しかし、今回解説した4つのステップをルーティン化し、必要な書類を日々整えておけば、決して高いハードルではありません。

専門的支援を「特別なもの」から「日常の風景」へと変えていくこと。それが、子どもたちの未来を広げ、同時に地域から選ばれ続ける強い事業所を作る近道となります。まずは一つひとつのアセスメントから、新しい一歩を踏み出してみませんか。

関連記事

最近の記事
  1. 【1日150単位】専門的支援実施加算の算定ルール徹底解説!5年経験保育士も対象になる条件とは?
  2. 障害者グループホームの開業資金は500万で足りる?初期費用のリアルな内訳と調達術
  3. 【文例付き】福祉事業の法人設立|指定申請で失敗しない「定款の目的」の書き方と注意点
目次