グループホーム

長期入院時支援特別加算で入院中も切れ目ない支援を

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グループホームや宿泊型自立訓練を利用されている方が長く入院されるとき、医療面は病院が担ってくれますが、服や日用品の準備、退院後の生活の調整など「暮らし」に関わる部分は、どうしても手薄になりがちです。

ご家族が近くにいて面倒を見られる方ばかりではありません。支援者が入院先を訪問し、医療機関との橋渡し役を務めることが、その方の安心につながり、退院後も地域で暮らし続けるための重要な支えになります。

こうした長期間の入院時に、事業所が継続的な生活支援・退院調整を行うことを評価するのが「長期入院時支援特別加算」です。今回は「長期入院時支援特別加算」について対象サービスや算定要件、実務上のポイントを説明します。

 

目次

  1. 対象サービス名
  2. 算定加算単位
  3. 長期入院時支援特別加算とは
  4. 宿泊型自立訓練における算定要件
  5. 共同生活援助における算定要件
  6. 入院時支援特別加算との違い・選び方
  7. 実務上のチェックポイント
  8. まとめ

 

 

1.対象サービス名

 

長期入院時支援特別加算が位置づけられている主なサービスは次のとおりです(令和6年4月時点)。

  • 宿泊型自立訓練(自立訓練(生活訓練))
    • 宿泊を伴う生活訓練で、指定宿泊型自立訓練を行う自立訓練(生活訓練)事業所が対象

 

  • 共同生活援助(グループホーム)
    • 指定共同生活援助事業所
    • 日中サービス支援型共同生活援助事業所
    • 外部サービス利用型共同生活援助事業所

 

いずれも、「家族等から入院に係る支援を受けることが困難な利用者」が対象となります。ここが、通常の「入院時支援特別加算」と比べても大きな前提条件です。

 

 

2.算定加算単位

 

宿泊型自立訓練(生活訓練)

  • 長期入院時支援特別加算
    • 1日につき 76単位(宿泊型自立訓練サービス費)

 

共同生活援助(グループホーム)

  • 長期入院時支援特別加算
    • 指定共同生活援助事業所 … 1日につき 122単位
    • 日中サービス支援型    … 1日につき 150単位
    • 外部サービス利用型    … 1日につき 76単位

 

いずれも「1日につき」の評価ですが、その月の入院日数のうち3日目以降(入院初日と退院日は除外)が算定対象になる点がポイントです。

 

 

3.長期入院時支援特別加算とは

 

長期入院時支援特別加算は、次のような場面を想定して設けられた加算です。

  • 利用者が長期間の入院療養が必要になった
  • 家族等による入院中の支援が困難で、代わりに事業所の支援が求められる
  • 事業所職員が入院先を訪問し
    • 衣類・日用品などの準備
    • 医師・看護師との情報共有や退院後の生活についての相談
    • 退院後、地域生活へスムーズに戻るための調整
      など、日常生活と地域移行に関する支援を継続的に行う

これらを、個別支援計画(宿泊型自立訓練では「自立訓練(生活訓練)計画」)に位置づけて実施した場合に、入院期間の日数に応じて評価する仕組みです。

 

 

4.宿泊型自立訓練における算定要件

 

  1. 家族等から入院に係る支援を受けることが困難な利用者であること
    • 距離的・年齢的な事情などにより、家族がこまめに入院先へ足を運ぶことが難しいケースを想定
  2. 入院先は、当該事業所と同一敷地内の病院・診療所を除くこと
    • いわゆる併設医療機関への入院は対象外
  3. 指定宿泊型自立訓練を行う自立訓練(生活訓練)事業所の従業者が対応すること
    • 利用計画に位置づけられた支援として、病院・診療所を訪問し
      • 衣類や日用品の準備
      • 利用者や家族からの相談対応
      • 退院後の生活を見据えた医療機関との調整 などを実施
  4. 1か月の入院期間(入院初日・退院日を除く)の日数が2日を超える場合に、
    • その月の3日目以降の入院日数分について、1日につき76単位を算定
    • 連続して入院している場合、入院した月を含め最大3か月間までが上限
  5. 同じ月に入院時支援特別加算と併算定はできないこと

さらに留意事項では、

  • 原則として週1回程度は病院等を訪問すること
  • やむを得ない事情で訪問できない場合(例:利用者の状態悪化で面会制限がかかった等)は「特段の事情」として位置づけ、その内容を記録しておくこと
    とされています。

 

 

5.共同生活援助における算定要件

  1. 家族等から入院に係る支援を受けることが困難な入居者が対象
  2. 入院先は、同一敷地内に併設された病院・診療所を除く
  3. 共同生活援助の基準で配置すべき従業者(管理者・サービス管理責任者・世話人・生活支援員等)のいずれかが
    • 個別支援計画に基づき入院先を訪問し
    • 入院期間中の衣類や日用品の準備、家族・利用者からの相談対応
    • 退院後もグループホームで生活を継続できるよう、病院との連絡調整 等を行うこと
  4. 1か月の入院期間(入院初日・退院日を除く)のうち、3日目以降の入院日数について、
    • 1日につき
      • 指定共同生活援助 … 122単位
      • 日中サービス支援型… 150単位
      • 外部サービス利用型… 76単位
        を算定(連続入院で最大3か月まで)
  5. 同じ月に、入院時支援特別加算と併せて算定することはできない

 

厚労省の「入院時等の加算に関するQ&A」では、

  • 各月ごとに「入院時支援特別加算」か「長期入院時支援特別加算」のどちらかを選択して算定すること
  • 1回の長期入院が月をまたぐ場合、4月・5月は長期入院時支援特別加算、6月は入院時支援特別加算を選択するケースなど、具体的な計算例も示されています。

また、ここでも原則として週1回以上の訪問が求められ、訪問できない場合の「特段の事情」の記録が重要とされています。

 

 

6.入院時支援特別加算との違い・選び方

同じ「入院時の支援」を評価する加算として、

  • 入院時支援特別加算(月1回・561/1,122単位 等)
  • 長期入院時支援特別加算(日数按分・1日あたり76/122/150単位)

の2種類があります。

 

大まかなイメージ

  • 入院時支援特別加算
    • 比較的短期の入院を前提に、月単位で「まとまった支援」を評価
    • その月の入院日数が3日以上の場合に1回算定(7日以上で単位アップ)

 

  • 長期入院時支援特別加算
    • 長期間にわたる入院療養を前提に、
    • 3日目以降の入院日数に応じて「日ごとの支援量」を評価
    • 連続入院で最大3か月まで

 

入院月ごとにどちらを算定するか選択してよいとされています。

実務上は、

  • 入院初期で日数がそれほど多くない月 → 入院時支援特別加算
  • 1か月ほぼ入院している月 → 長期入院時支援特別加算
    といった整理になるケースが多いかと思いますが、実際の単位数は個々のケースで変わりますので、月ごとに両者をシミュレーションして比較することをお勧めします。

 

 

7.実務上のチェックポイント

 

長期入院時支援特別加算を検討される際、次の点を押さえておくと、算定の可否判断や監査対応がスムーズです。

「家族等からの支援が困難」であることの確認・記録

  • 入院に関する家族の支援状況
  • 近親者の居住地・健康状態
  • 家族から「なかなか病院に行けないので事業所で支援してほしい」といった依頼の有無

などを、アセスメントや支援記録に残しておくことが重要です。

 

個別支援計画・自立訓練計画への位置づけ

  • 「長期入院中の病院訪問」「退院に向けた調整」などを、計画書に明記
  • 目標(例:退院後も現行のグループホームで生活を継続できるようにする)と支援内容を整理

計画に位置づけたうえで実施していることが、後日の説明材料になります。

 

訪問記録の整備

  • 訪問日・訪問者・時間
  • 実施した支援内容(面会、医師・看護師との情報共有、衣類の補充、退院支援カンファレンスへの参加 等)
  • 面会制限などで訪問できなかった場合は、その理由(「特段の事情」)

を、記録様式を決めて残しておくと、監査・指導の際にも説明しやすくなります。

 

④ 3か月ルールと月ごとの選択

  • 連続入院の場合、最長3か月までしか長期入院時支援特別加算は使えません。
  • どの月を「長期入院」、どの月を「入院時支援特別加算」にするか、事前にシミュレーションをして法人内で方針を決めておくと安心です。

 

医療連携体制加算等との関係

医療連携体制加算(Ⅴ)など、医療との連携体制を評価する加算を算定している事業所では、

  • 日常的な健康管理・医療機関連携
  • 長期入院時支援特別加算に伴う入院時の支援

がどのように役割分担されているかを整理し、ダブルカウントとならないよう留意する必要があります。

 

 

8.まとめ

 

長期入院時支援特別加算は、

  • 家族等による支援が難しい利用者が長期入院した場合に
  • グループホームや宿泊型自立訓練の職員が、入院中も生活面・退院後を見据えた支援を継続することを評価する加算です。

算定にあたっては、

  • 家族支援の困難さの確認
  • 計画書への位置づけ
  • 原則週1回の病院訪問とその記録
  • 3か月ルールと「入院時支援特別加算」との選択

といった点が重要になります。

 

実際の運用は、自治体独自の通知や集団指導資料で細かく示されている場合もありますので、最終的な取扱いは所轄自治体の担当課にご確認ください。

事業所様として、入院=支援の終了ではなく、退院後を見据えた「地域生活の継続支援」の一環として、長期入院時支援特別加算をどう位置づけるかを考えていただく機会になれば幸いです。

 

 

(参考文献)

障害者総合支援法 事業者ハンドブック〈報酬編〉(中央法規)

障害福祉サービス 報酬の解釈(社会保険研究所)

 

(参考資料)

平成26年度障害福祉サービス等制度改正に関するQ&A(平成26年4月9日)(厚生労働省)P15、P16

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