障がい福祉サービスや児童福祉サービスを運営されている事業者様にとって、人員配置基準の遵守は事業継続の大前提です。中でも、サービス管理責任者(以下「サビ管」)や児童発達支援管理責任者(以下「児発管」)は、利用者支援の計画立案・評価を担う中核的な役割を持ち、必置職員として法令により定められています。
しかし、退職・休職などによりこれらの責任者が欠如した場合、報酬上のペナルティである「欠如減算」が適用されます。今回は「サービス管理責任者(児童発達支援管理責任者)欠如減算」について説明します。
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サビ管・児発管の役割
- サビ管:生活介護、就労継続支援A/B型、共同生活援助、短期入所などに配置が義務付けられ、個別支援計画や職員指導を担います。
- 児発管:児童発達支援、放課後等デイサービスに必置。アセスメント、計画作成、保護者対応を通じて支援の質を確保します。
両者の不在は利用者支援の質低下に直結するため、報酬減算が設けられています。
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欠如減算の仕組み
- 欠如が 1日でも発生した月は「欠如月」 と扱われます。
- ただし 欠如月そのものは減算されません。
- 減算は 欠如月の翌々月から 適用され、解消されるまで続きます。
減算率(サビ管・児発管共通)
- 1~4か月目:基本報酬の 30%減算(=70%算定)
- 5か月目以降:基本報酬の 50%減算(=50%算定)
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図解:欠如減算の流れ
下図のとおり、欠如が発生してもすぐに減算されるわけではなく、翌々月から段階的に適用されます。
図解ポイント
- 欠如が1日でもあれば「欠如月」として扱われます。
- 欠如月・翌月は減算なし(猶予期間)。
- 翌々月から30%減算が始まり、5か月目以降は50%減算となります。
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サービスごとの名称の違い
欠如減算はサービス体系ごとに名称が異なりますが、内容(率や適用条件)は共通です。
- 生活介護・就労継続支援・共同生活援助等 → サービス管理責任者欠如減算
- 児童発達支援・放課後等デイサービス → 児童発達支援管理責任者欠如減算
- 居宅介護・重度訪問介護 → サービス提供職員欠如減算
※ 異なるのは名称と対象職種だけであり、「翌々月から30%→5か月目以降50%」のルールは共通です。
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国保連審査と運営指導の違い
- 正しく届出・減算請求をした場合 → 国保連の審査で自動的に減算適用。
- 届出せず通常請求 → 後日発覚した場合 → 減算ではなく 返還(過誤調整) として取り扱われ、過去分をまとめて返金。
※届出を怠ると返還リスクが大きいため、必ず自治体への報告・減算請求が必要です。
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実務上の留意点
- 複数名体制・後任育成で欠如リスクを軽減する
- 兼務の活用で柔軟な配置を可能にする
- 早期に自治体へ相談し、指導に基づいた対応をとる
- 欠如時は必ず届出・減算請求を行い、後日の返還リスクを避ける
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まとめ
- サビ管・児発管の欠如は「1日でもその月は欠如月」。
- 減算は欠如月の翌々月から開始し、1~4か月は30%、5か月目以降は50%。
- 名称はサービスごとに異なるが、内容は共通。
- 届出をすれば国保連で減算が適用、怠れば返還対象。
欠如減算は事業運営と経営に直結する重要な制度です。人員体制を常に点検し、欠如が発生しない仕組みを作ることが安定した運営につながります。