令和6年度の報酬改定にともない、6月から「処遇改善加算」が改定されています。今回はその内容をざっくりと解説してゆきます。
3つの加算が一本化され「介護職員等処遇改善加算」としてスタート!
従来までの①処遇改善加算 ②介護職員等特定処遇改善加算 ③介護職員等ベースアップ等支援加算の3つが統合され新たに「介護職員等処遇改善加算」として制度が一本化されます。制度変更にともない厚生労働省では全体の加算率のアップの方針を打ち出しています。特に本年度(令和6年度)は制度変更にともなう激変緩和措置として「新加算V」を設け加算率が上がる仕組みを構築しています。それにより介護職員給与のベースアップ(令和6年度+2.5%、令和7年度+2.0%)の実現を要求しています。
新制度での加算を受けるには?
今回つくられた「新加算V(正式には新加算V(1)~(14))」を算定するためには次の3つの要件をクリアする必要があります
-
キャリアパス要件
介護職員の賃金体系、昇格、昇給の仕組みを書面により整備し、キャリアアップを目的とした研修の計画・実施を行うことが求められます。また、サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等の配置も求められます。
-
月額賃金改善要件
今回の制度変更にともない増加した加算の相当額を賞与ではなく基本給、毎月の手当の引き上げに使うことを求められます。
-
職場環境等要件
賃金以外の職員へのケア。具体的には職員自身の子育て、介護と仕事の両立に向けたケア、ミーティング等での職場のコミュニケーションの向上、介護ロボット導入による業務負担の軽減などがあげられます。