障害児通所支援

放課後等デイサービスで是非とも算定したい加算とは?

放課後等デイサービス(以下、放デイ)は、障がいのある子どもたちの成長や自立を支える大切な福祉サービスです。放デイを運営するにあたって、質の高い支援を継続していくためには「報酬制度」、特に「加算制度」の理解と活用が不可欠です。

今回は、放デイ運営でぜひとも算定しておきたい5つの加算をご紹介します。

 

  1. 児童指導員等加配加算

加算の内容

児童指導員や保育士など、一定の資格を有する職員を、基準以上に配置した場合に算定できる加算です。特に支援ニーズの高い児童が多い放デイでは、手厚い職員配置が必要な場面も多く、非常に重要な加算です。

 

算定要件
  • 児童指導員、保育士、社会福祉士などを常勤換算で基準より1名以上多く配置していること
  • 加配職員が直接支援に関わっていること
  • 支援記録や勤務実績の記録があること

 

取得のメリット
  • 職員のゆとりある体制を確保でき、質の高い支援が可能になる
  • 保護者様にとっても「安心材料」となり、事業所の信頼性向上につながる

  1. 専門的支援体制加算

加算の内容

言語聴覚士(ST)や作業療法士(OT)、臨床心理士、公認心理師などの専門職が支援体制に関わっている場合に算定できる加算です。

 

算定要件
  • 該当する専門職が在籍または嘱託として関与していること
  • アセスメントや個別支援計画の作成、支援の助言などに実際に関与していること
  • 関与内容の記録や会議出席記録があること

 

取得のメリット
  • 専門的な視点での支援が可能となり、支援の質が向上
  • 保護者からの信頼が厚くなる
  • 専門職の関与を通じて、スタッフの育成・相談体制の充実にもつながる

 

  1. 送迎加算

加算の内容

児童の自宅や学校との間の送迎を行った際に加算される項目です。送迎は多くの保護者にとって非常にありがたいサービスであり、放デイでは取得率が非常に高い加算です。

 

算定要件
  • 実際に送迎が行われていること(片道または往復どちらかでもOK
  • 保護者からの送迎希望と同意が得られていること
  • 送迎ルート・送迎記録が整備されていること(送迎簿の保管
  • **安全管理体制(運転者の教育・車両点検・保険加入)**が整っていること

 

取得のメリット
  • 保護者負担が軽減され、利用継続率が上がる
  • 地域との連携がスムーズに
  • 他の事業所との差別化要素としても有効

  1. 福祉専門職員配置等加算

加算の内容

こちらは、「児童福祉法施行規則」で定められた福祉専門職(社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師など)を一定の要件に基づいて配置している事業所に対する加算です。

 

算定要件
  • 上記の福祉専門職を定期的に勤務させていること(非常勤でも可能)
  • 児童のアセスメントや支援の助言、職員への指導などに関与していること
  • 関与の証拠(勤務時間、議事録、指導記録など)を残しておくこと

 

取得のメリット
  • 専門職からの視点を支援に活かせるため、個別支援の幅が広がる
  • スタッフが専門的知識を学ぶ機会となり、組織全体の支援レベルがアップ
  • 行政や保護者からの信頼が増す

 

  1. 福祉・介護職員等処遇改善加算

加算の内容

福祉・介護の現場で働く職員の賃金改善を目的とした国の補助制度です。算定された加算額は事業所の人件費にしか充当できません。

 

算定要件
  • キャリアパス制度を整備していること(職位・役割に応じた昇格や研修)
  • 処遇改善に関する計画書を作成し、行政に提出していること
  • 加算分の報酬を対象職員に適切に配分していること

 

取得のメリット
  • 職員の定着率・モチベーションの向上に直結
  • 求人時にも「処遇改善加算取得」と記載でき、人材確保に有利
  • 安定的な運営の基盤として最重要クラスの加算

加算取得に向けた3つのポイント

書類と記録を徹底する

加算の算定は、「やっていること」だけではなく、「記録として証明できること」が必要です。毎日の支援記録、送迎記録、会議の議事録など、記録業務の体制を整えておきましょう。

 

無理なく運用できる加算から始める

すべての加算を一度に取ろうとすると、負担が大きくなります。まずは「送迎加算」「児童指導員等加配加算」など、導入しやすく即効性のある加算からチャレンジするのがコツです。

 

行政との連携と届出を忘れずに

加算の取得には、指定権者(都道府県・市町村)への届出が必要です。要件や申請時期をよく確認し、相談しながら準備を進めましょう。

 

まとめ:加算は「収益確保」以上の意味を持つ

放課後等デイサービスの運営において、加算は「収入を増やす手段」というだけでなく、質の高い支援体制を整え、子どもたちにとってよりよい環境をつくるための仕組みでもあります。

今回ご紹介した5つの加算は、いずれも事業者様が無理なくチャレンジでき、確実に事業運営の安定に寄与するものばかりです。

制度をうまく活用しながら、地域に信頼される放デイを目指していきましょう。

 

ご相談・ご質問はお気軽に!

「うちの事業所でもこの加算、取れるのかな?」「書類の作り方が不安…」などの疑問やご相談があれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。加算取得支援や業務マニュアルの作成、スタッフ研修などもサポート可能です。

事業所様の放デイ運営が、子どもたちとスタッフ、そして地域の未来を明るく照らす存在になることを願っています。

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